いずれも消費者法ニュース113号217頁、219頁に掲載されています。

時効完成後の支払いについては、業者側から、最高裁昭和41年4月20日判決があり信義則に反し援用できないと判例が引用されますが、同最判は、個別事案の判断であり(とくに債務者から支払いを積極的に申し出ていたもの)、当然、全ての事案においては時効援用が信義則に反するわけではありません。名古屋簡裁の事案は和解契約書も作成されていたもの、福岡簡裁の事案は40回もの支払いが存したものですが、いずれも、個別具体的事情を踏まえ、時効援用・債務消滅を認めたものです。

 

実務上、被害救済に大いに参考になるものと思われます。

REITO105号86頁に掲載されています。

請求者(原告)との間に契約関係はない事案で、時間的問題の参考になりますし、最高裁平成19年7月6日判決、平成27年7月27日判決の適用例といえるものです。

東京地裁平成28年7月19日判決(労働判例1150号16頁)は、懲戒解雇対象者の発言等はそれぞれ懲戒事由に該当するとしながら、「懲戒処分における極刑といわれる懲戒解雇と、その前提である諭旨退職という極めて重い処分が社会通念上相当であると認めるには足りないというべきである。」として懲戒解雇を無効としました(控訴あり)。

 

懲戒事由が存するとしても如何なる処分が相当かは別途検討を要するものであり、実務上、参考となるものです。

行政法規の基づく権限行使によって損害を受けた者が国家賠償請求可能かとの論点があり、判例上、公務員が個別の国民に対して負担する義務に違反した場合には国賠法1条1項の「違法」を構成すると理解されているところ(最高裁昭和60年11月21日・民集39巻7号1512頁)、本件では、農地法5条2項4号の趣旨・理解が問題となったものです。原審は「違法」を構成しないとしましたが、広島高裁岡山支部平成28年6月30日判決(判例時報2319号40頁)は、隣接地所有者の法的利益も保護するものであるとして、国家賠償を認めたものです。

 

行政法規の解釈・適用の例として参考になると思われます。

 

※ 農地法5条2項4号

 申請に係る農地を農地以外のものにすること又は申請に係る採草放牧地を採草放牧地以外のものにすることにより、土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあると認められる場合、農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の周辺の農地又は採草放牧地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがあると認められる場合

札幌地裁平成28年3月3日決定(判例時報2319号136頁)です。

刑事関係の証拠判断として重要な参考裁判例です。

判例時報2338号112頁に掲載されています。

上告されていますが、民事上の注意義務違反、ひいては被害者救済にも参考になる判示です。

東京地裁平成28年6月29日判決(労働判例1150号33頁)は、学校側が生徒とのトラブルを理由に年度途中クラス担当を外した行為につき、「本件解任は、教員の重要な業務であるクラス担任としての職務を剥奪するものであり、クラス担任の年度途中での変更が異例の措置であり、教員としての不適格性を推知させるものである上、本件解任は、前記認定のとおり、必要性及び合理性を欠く措置であって、その決定に当たってD1の弁解の聴取などの相当な手続を経ていないことからすると、本件解任によってD1は職務上、精神上の不利益を被るものといえる。」として、私立高校側の不当労働行為を認定しました。

 

本件は不当労働行為の場面ですが、現場教員におけるクラス担任の重要性や、これを年度途中に外すことの対外的意味・効果等も踏まえた判断で、教員に対する違法・不当な取扱いに対する私法上の救済にも参考になるものと思われます。

判例時報2337号36頁に掲載されています。

破産管財人を原告とする訴訟で、申立人代理人が受任後申立前に、会社代表者へ高額報酬を支払ったり、会社顧客へお詫びの品を送ったりした事案で、申立代理人弁護士と同人が社員となっている弁護士法人へ各635万円超の賠償を命じたものです。控訴後和解となっています。

 

破産債権の総額は3億3500万円超・債権者数80名超からしても当然の判断と思われますが、実務上、参考になるものと思われます。

既に報道されているとおり、アディーレ法律事務所が東京弁護士会から懲戒処分(業務停止2ヵ月)を受け、依頼者との委任契約を全て解消していること等について、アディーレ法律事務所へ依頼されていた方々から多数の相談がよせられています。

取り急ぎ、仙台弁護士会などの相談窓口をお知らせいたします。

 

〇 仙台弁護士会

http://senben.org/archives/7023#more-7023

日   時:平成29年10月26日(木)~11月1日(水)の10時~20時
     *10月28日(土)及び29日(日)は除く。
電話番号:022-721-3526(通話料は相談者の負担です)
電話相談料:無料(相談後、事件受任の場合は弁護士費用がかかります)
相談担当者:当会所属の弁護士

 

 

〇 東京弁護士会

 

 ホームページに順次新しい情報が掲載されています。

https://www.toben.or.jp/

 

〇 アディーレ法律事務所

 

 業務停止中はホームページも閉鎖しなければなりませんが、今回は例外的に許可を得ての掲載です。

 

 弁護士会からの業務停止処分についての
お詫びと契約解除の状況に関してのご案内

 https://www.adire.jp/

宮城県地方税滞納整理機構はじめ各地方税滞納機構の違法・強硬な態度に社会的批判も高まったいます。

※ 河北新報記事

10万円以下の給与「機構の差し押さえは違法」パート女性が県と市を提訴へ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171020_13035.html

 宮城県地方税滞納整理機構が、銀行口座に振り込まれた月10万円以下の給与を「預金」と見なして差し押さえたのは違法だとして、宮城県大崎
市のパート従業員の女性(63)が今月中にも、県と市に220万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こすことが19日、分かった。200
9年の機構設置以来、差し押さえの違法性を問う初の訴訟となる。
 女性の代理人弁護士によると、女性は08年6月~17年2月分の国民健康保険料など約139万円を滞納。市は今年5月、延滞税を加算した約
197万円の徴収を機構に委託した。
 女性の収入は毎月のパート給与8万~11万円と隔月の厚生年金約7000円。親族から借金して6月に100万円を返し、残りは分割払いを申
し出たが、認められなかった。9月15日、銀行口座に振り込まれた8月分の給与約8万7000円が機構に差し押さえられ、女性は所持金を全て
失った。
 国税徴収法は滞納者の月収が10万円以下の場合に給与の差し押さえを禁じているが、口座に振り込まれた給与が「預金」と見なされれば禁止規
定がない。
 女性側は「支払い意思を示したのに、生活費を根こそぎ徴収された。滞納者の最低限の生活の保持を求める法の趣旨からそれた脱法的な徴収だ」
と主張している。
 機構は大崎市など県内22市町村と県の共同運営で、各自治体からの派遣職員らで構成する。回収の難しい滞納の引き受けや徴収ノウハウの共有
が目的で、当初は3年間の期限付き設置だったが、本年度までの延長が決まっている。

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