氏名不詳者が、ツイッターに自分の孫娘が安保法制反対のデモに連れていかれて熱中症で死亡したとの記事を投稿したところ、この投稿に原告に無断で原告の画像を利用した事案で、社会的にも話題になったものです。

新潟地裁平成28年9月30日(判例時報2338号86頁)が、経由プロバイダーに対する発信者情報開示を認め、そのことにより、氏名不詳者を特定でき、示談が成立したとのことです。原告(被害者)の代理人は、こうした被害救済に積極的に取り組まれており、被害救済の手法として実務上大いに参考になるものと思われます。

被害者の方の被害状況等からすれば賠償額は法的判断としては通常のものと思われますが、どのような金銭賠償がなされても被害者や関係者の方に被害前の状況が戻るものではないですし、賠償額にとらわれることなく、被害事案の本質に立ち帰った学校現場での取り組みも求められているものと感じられます(判例時報2338号61頁。控訴されています)。

判例時報2338号24頁に掲載されています。

神戸地裁平成28年3月30日判決は、加害者側の自殺に対する予見可能性を否定しており、賠償額の低額さ(数十万円)もあり、評価は分かれるところかと思われ、客観的因果関係は認めていること、学校側の遺族に対する対応への違法性を認めていることなど、本件のみならず被害救済につながる判断と思われます(確定しています)。

東京高裁平成27年9月25日判決(判例時報2319号123頁)は、弁護人側の『金融商品取引法167条3項(公開買付者等関係者の禁止行為)からすれば、伝達行為は不可罰である』旨の主張に対し、「金融商品取引法が、同法167条1項各号において、公開買付者等関係者が公開買付け等に関する事実を知って自ら取引を行うことを規制している趣旨は、公開買付者等関係者が、職務上知り得た、一般投資家が知り得ない会社内部の特別な情報を利用して株取引を行った場合には、一般投資家に比べて著しく有利になるのであって、そのような取引は極めて不公平であることに加え、そのような取引を放置すると、証券市場の公正性と健全性が損なわれ、ひいては、証券市場に対する一般投資家の信頼が失われることから、そのような不公正な取引を防止しするところにあると解される。そして、公開買付者等関係者が自ら取引をしない場合であっても、第三者に公開買付け等に関する事実を伝達して、脱法的に第三者に取引を行わせる場合があり得るのであり、そうでないとしても、公開買付者等関係者から公開買付け等に関する事実の伝達を受ける第三者は、公開買付者等関係者と何らかの特別な関係にあると考えられ、そのような者が取引を行った場合にも証券市場の公正性が害されるから、金融商品取引法は、同法167条3項において、公開買付者等関係者から公開買付け等に関する事実の伝達を受けた第一次情報受領者による取引も禁止の対象としている。このように、同条3項の規制は、同条1項各号の規制を補完し、インサイダー規制の趣旨を徹底することを目的としたものと理解できる。」「このように、金融商品取引法は、公開買付者等関係者自身が公開買付け等に関する事実を知って自ら取引を行うことを規制しており、それに加えて第一次情報受領者による取引をも規制してインサイダー取引の規制の徹底をはかっているのであって、そのような金融商品取引法のインサイダー取引の規制のあり方に照らせば、同法167条3項違反の罪の教唆行為は十分に可罰的であると解すべきであって、その教唆行為に対して刑法総則の教唆犯の規定を適用することは、同条の立法趣旨に何ら反していないと解される。」と述べ、原審の有罪判断を維持しました。

 

金融商品取引法の適用事例として、実務上、参考となるものです。

神戸地裁平成28年7月29日判決(判例時報2319号104頁、LEITO105号90頁(LEITOは概要のみ))で確定しています。買主から事故や事件の存在を問われたものの、売主が何もない旨回答した事案ですが、事件・事故を心理的瑕疵として考慮する裁判例は多数あり、判例時報2319号104頁の解説部分に参考文献も含め掲載されています。

 

実務的に問題となることも多く、参考となる裁判例です。

8月8日付けで国民生活センターHPに掲載されています。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170810_1.html

相談総数は、2016年度の88.7万件で、2015年度の約93.0万件に比べ減少しているようですが、架空請求、還付金詐欺等による被害が多数を占めるなどの状況にあるようです。


8月9日(水)~13日(日)の間、事務所電話が音声対応になります。
お手数おかけ致しますが、メール・FAXは通常通りですので、宜しくお願い申し上げます。
また、上記期間中、打ち合わせ等を予定いただいている皆さまは予定どおりご来所下さい。

クーリング・オフ制度は約9割の認知度になっている一方、未成年者取消権の存在について親の立場で7割程度しか認識されていないなど、現行制度の周知等の課題なども把握し得るものです。


全文は、消費者庁HPに掲載されています(平成29年6月28日付け)。

http://www.caa.go.jp/adjustments/index_16.html

札幌高裁平成28年11月18日判決(判例地方自治418号50頁)は、懲戒処分等の対象事実である非違行為が音楽ソフトの無断複製とインターネットのオークションサイトに出品し30万円の利益を得たということを基礎に、対象者のこれまでの勤務状況が良好だったこと、真摯な反省等のほか、免職処分が教員の地位を失わせるという重大な結果を招くことも踏まえ、「本件免職処分は、社会観念上著しく妥当性を欠き、処分行政庁がその裁量権の範囲を逸脱したものというべきである。」として、懲戒免職処分・退職金不支給決定を違法として取り消しました。

 

地裁は処分を有効としていたものですが、非違行為の内容からすれば高裁の判断が妥当と思われ、地裁判断との相違も含め、実務上、参考になるものです。

東京地裁平成28年4月28日判決(判例時報2319号49頁)で、判例時報の解説欄に、多数の参考裁判例、文献が載っています。『説明を受けていれば歯を削らなかった』との因果関係は認められないとして、損害は、慰謝料30万円、弁護士費用3万円のみとしたものです。

 

必ずしも被害救済に資する判断のみではありませんが、裁判所の思考も含め、実務上参考になると思われます。

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