2010年7月アーカイブ

平成20年度国民生活白書によれば77パーセントの方が「消費者教育」を受けた意識が「ない」そうです。「消費者教育」は多義的ですが、悪質被害防止・救済にとどまらない、市民の側から社会をとらえる重要な内容を含みます。消費者被害の実態、クーリングオフなどについての認知度はもっと高いことも考えると、体系的な「消費者教育」が求められます。

「消費者教育」の内容・あるべき姿については、平成21年3月14日に行われた日弁連ほか「シンポジウム「もっと消費者教育を!」~消費者教育推進のための法づくりを考える」の報告書が参考になります↓。

http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/data/shiyouhisyakiyouiku1.pdf#search='

 

仙台市民オンブズマンは、平成22年7月16日、仙台市が原則競争入札であるべき契約締結事務につき特命随意契約としいること、実質的な見積書も取り付けていないと言わざるを得ないことなどの問題点を指摘し、住民監査請求を行いました。まずは監査委員の判断待ちですが、行政の実態・問題点を知り考えるよい実例です。

説明・住民監査請求書など↓。

http://sendai-ombuds.net/free/2010/07/post-88.html

いわゆる仕組債とよばれる金融商品について、証券会社の損害賠償責任を認める裁判例(大阪地裁平成22年3月26日。過失相殺2割。控訴審係属中)、証券会社の勧誘行為に基づく被害者の購入の意思表示を錯誤無効とした裁判例(大阪地裁平成22年3月30日)が出されています。証券被害のなかでも専門的な分野ですが、被害救済に大きな力となる裁判例です。

前者の判決文は、裁判所HPに掲載されています↓。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=80060&hanreiKbn=03

宮城県警、デート商法の疑いで数カ所家宅捜索(ニュース)

宮城県警生活環境課などが、7月22日、アンケートを装って電話でデートに誘い、高額なネックレスなどを販売したとして、特定商取引法違反の疑いで、宝飾品販売会社「Art(アール)」(仙台市青葉区花京院2丁目)の本社や営業所など数カ所の家宅捜索を行ったとの報道がありました。

本件の詳細はこれから解明されるでしょうが、消費者被害は「やりどく」を許さない「加害者への取締・制裁」こそが必要です。

河北新報記事↓

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100722t13042.htm

宮城県消費生活センターのデート商法に関する注意呼びかけ↓

http://www.pref.miyagi.jp/syoubun/syohi-sc/deto.htm

投資被害の判例としては、以下の2つが大きなリーディングケースといわれています。いずれも「形式的」には契約書等が揃っていても、「実質的」側面から不法行為の成立を検討・認めるものです。  

・ 商品先物取引において業者側の行為を一連の不法行為とする最高裁判例(最高裁平成7年7月4日判決・先物取引裁判例集18・110頁)

・ 証券取引において適合性原則違反が不法行為上も違法とする最高裁判例(最判平成17年7月14日・民集59巻6号1323頁)

また、被害救済の際の法律構成として、少し注意を要する判例として、以下があります。

・ 無断売買等のケースで、顧客に効果は帰属せず、顧客はその取引がないものとして計算した額の預託金等の返還を求めることができるとする最高裁判例(最判平成4年2月28日・判タ783号78頁)

 

ご参考・日本労働弁護団のホームページ

労働者側からの情報として有益なページです。発行書籍は全国の弁護士はもとより裁判官も購入しているようです。

http://roudou-bengodan.org/

なお、経営者側弁護士で構成する経営法曹会議のホームページもあります。

http://www.keieihoso.gr.jp/

交通事故はじめ損害賠償額の算定にあたり、将来の逸失利益につき現時点で賠償を受けることになり、いわば「将来分を先に賠償を受ける」ことから、「先に受ける」分の中間利息の控除が問題となります。この点、下級審の裁判実務はライプニッツ方式(複利)で控除する考え方がとられることが多いですが(東京・大阪・名古屋地裁の共同提言など)、最高裁は、札幌高裁がホフマン方式を採用した事案について、結論として是認しました(平成22年1月26日判決・判時2076号47頁)。

ホフマン方式の方が被害救済にあつく、民法も単利計算(405条)を採用していることからも、必ずしもライプニッツ方式(複利)に拘束される要はないと思われます。

なお、最高裁は本判決以前から、いずれの考え方でもよいとする立場と解されてきました(ライプニッツ方式を是認したものとして昭和53年10月20日判決、ホフマン方式を是認したものとして平成2年3月23日判決)などがあります。

 

クレジットカード現金化の問題・被害が急増(参考情報)

クレジットカードを利用し、現金を入手する問題・被害が急増しています。その方法・手口はいくつかありますが、貸金業法を脱法すると思われる業者の問題や、利用者(消費者)自身の違法性の問題も生じさせかねません。

詳しい内容や注意喚起は以下のページにも記載されています。

国民生活センターによる注意喚起等

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100407_2.html

日本クレジット協会のページ

http://www.j-credit.or.jp/customer/attention/attention_05.html

株式公開準備室などの名称で未公開株式を販売した事案につき、販売会社側の退任(辞任)した取締役らに対し、『積極的に未公開株式の売却、販売スキームに関わっており、辞任の際に、その後の被害拡大防止についての見るべき措置をとっていない』などとして、損害賠償責任を命じる判決が出されました(東京地裁平成22年6月28日判決)。

未公開株式被害はじめ詐欺的金融被害では、加害者側が法形式を利用し責任を免れようとすることが多いですが、本判決は実態に基づき判断するもので、被害救済の大きな力となると思われます。

 

名古屋地検の事務官が昼休みを理由に容疑者との接見を拒否した事案につき、名古屋地裁は、平成22年7月13日、接見拒否は、違法として、国側に6万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。被疑者・被告人の接見は極めて重要な基本的権利でありますが、施設のキャパシティ・捜査側の態勢等から、安易に制限・時間の変更等を求められるケースもあり、引き続き、国・捜査側の違法・不当な接見妨害への監視・対応が必要でしょう。また、違法行為を行った事務官はもとよりその実質上の監督者たる検察官に対する内部的制裁などが行われなれなければ、国・捜査側の体質は変わらないでしょうから、この点の監視等も必要です。

毎日新聞記事↓

http://mainichi.jp/chubu/newsarchive/news/20100713ddh041040004000c.html

 

欠陥住宅110番のご報告と今後の相談窓口

6月25日(金)10時から「全国一斉リフォーム・欠陥住宅110番(相談無料)」を実施致しました(主催 欠陥住宅被害全国連絡会、同東北ネット)。住宅一般の相談が6件、リフォームが3件の合計9件の相談が寄せられました。リフォームについては、500万円未満の契約・工事にすることで建設業の規制を免れたりする悪質なもの多く見られます。

今後ご相談を希望される方は、東北ネット事務局へお電話いただければ、その後の流れ・具体的相談へのご説明が受けられます。

【東北ネット事務局】 弁護士 鈴木覚 電話022-216-6770

 

 

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