2012年2月アーカイブ

整理解雇は、労働者に落ち度がなく解雇という労働関係におけるもっとも厳しい処分がなされることから、整理解雇の4要件を満たす必要があるといわれています(①整理解雇の必要性、②解雇回避努力義務、③解雇対象者の選択の合理性、④手続きの相当性)。本判決は、少なくとも要件①、②、④は満たさないとして、解雇を無効としたものです(要件③を満たすと積極的には判断していません)。結論の妥当性はもとより、整理解雇の際の事実認定など実務上も参考になると思われます(労判1035号124頁)。

 

フランチャイザー(本部)のフランチャイジー(加盟店)に対する、米飯・チルド等の消費商品(デイリー商品)について再販価格拘束が独占禁止法19条(不公正な取引方法の禁止)に反する違法があるとして、フランチャイザー(本部)に対し、損害賠償を命じた事案です(判時2133号80頁)。実務的には、損害額につき裁判所が「相当な損害額」を認定できるとする民事訴訟法248条が適用された点も参考になります。

フランチャイズをめぐる紛争(加盟店が被害を受けるもの)は度々訴訟となっており、当HPでも、大阪地裁H22年5月12日判決の際に紹介したところです↓。

http://www.kc-law.jp/cgi-bin/mt/mt.cgi?__mode=view&_type=entry&id=109&blog_id=2

最高裁は、個品割賦購入あっせん(クレジットカードではなく個々の商品毎に分割払いとするもの)において、「購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合」に、立替払契約が無効となる要件として、次のような判断を示しました。

『①販売業者とあっせん業者との関係

 ②販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度

 ③販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の 

  有無及び程度

 等に照らし、販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっせん

 業者に帰せしめ、売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力

 を否定することを信義則上相当とする特段の事情があるとき』

現実には立替払業者は、販売業者を通じて顧客を獲得している実態等からすると上記要件の合理性は疑問ですが、いずれにせよ、最高裁の判断ですので、実務上は大きな影響があると思われます。

具体的事案においては、次のように判示し、「特段の事情」の存在を否定し、立替払契約を有効としました。被害実態からみて結論にも疑問があるところです。

『これを本件についてみると、本件販売業者は、本件あっせん業者の加盟店の一つにすぎず、本件販売業者と本件あっせん業者との間に、資本関係その他の密接な関係があることはうかがわれない。そして、本件あっせん業者は、本件立替払契約の締結の手続を全て本件販売業者に委ねていたわけではなく、自ら被上告人に本件立替払契約の申込みの意思、内容等を確認して、本件立替払契約を締結している。また、被上告人が本件立替払契約に基づく割賦金の支払につき異議等を述べ出したのは、長期間にわたり約定どおり割賦金の支払を続けた後になってからのことであり、本件あっせん業者は、本件立替払契約の締結前に、本件販売業者の販売行為につき、他の購入者から苦情の申出を受けたことや公的機関から問題とされたこともなかったというのである。これらの事実によれば、上記特段の事情があるということはできず、他に上記特段の事情に当たるような事実もうかがわれない。』

 

※ 判決文等 

最高裁HP http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81723&hanreiKbn=02

 

判時2133号9頁、金融・商事判例1383号8頁

 

 

 

ので、ひいては上記要件自体も自体に書(甲1・乙A1)役をい異様に

 

でない限り、売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となる余地はないと解するのが相当である。


 

労災申請、地裁段階では公務災害性を否定されていた事案につき、高裁で公務災害性を認めたものです(労判1036号50頁)。化学物質過敏症の統一的な定義や診断方法は確立されていないとしながらも、化学物質の存在、被災者の身体被害、医師の専門的判断等から判断したもので、近時の化学物質過敏症・シックハウス症候群の被害実態・研究診察の進歩からすれば、ある意味当然の結果ではありますが、理解不足の行政・司法判断が多い中、意義ある結論と思われます。