2012年6月アーカイブ

銀行・金融機関が真の預金者ではないものへ預金払戻を行ってしまった結果、真の預金者の権利が失われるという、いわゆる銀行による預金過誤払いの問題が多発してきました。

こうした被害を受け、平成17年8月、預金保護法(偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律)が制定され、そのなかで、盗難カードについて、以下の条項が定められています(2項以下は省略)。

東京地裁H24・1・25判決(金融・商事判例1390号56頁)は、以下の条項の適用を認めた事例で、そのこと自体参考になりますが、窃盗手口の巧妙化・銀行窓口対応者の専門性の問題等が存するなか、預金過誤払被害及びその救済への注意喚起も含め、アップします。
 
【関連条文】
(盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し等の額に相当する金額の補てん等)
第五条  預貯金者は、自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関に対し、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しの額に相当する金額の補てんを求めることができる。
 当該真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、当該金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと。
 当該金融機関の求めに応じ、遅滞なく、当該盗取が行われるに至った事情その他の当該盗取に関する状況について十分な説明を行ったこと。
 当該金融機関に対し、捜査機関に対して当該盗取に係る届出を提出していることを申し出たことその他当該盗取が行われたことが推測される事実として内閣府令で定めるものを示したこと。

 

国民生活センターHPにアップされました(H24・6・21)↓。

「消費者トラブルメール箱2011年度のまとめー10年目の比較を踏まえて」

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120621_3.html

 

各統計も含め、消費者被害の現状把握に参考になると思われます。

「東日本大震災で寄せられた消費生活相談情報(第6報)ー発生から1年間の相談の推移ー」

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120416_1.html

「2010年度のPIO-NETにみる消費生活相談の主な特徴」

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110825_2.html

 

 

毎年、仙台弁護士会で開催しているジュニアロースクールが今年も開催されます(7月28日(土)9時30分~16時00分)。知識だけではない、生きた法・考え方を体験するよい機会です。詳しくは仙台弁護士会のHP内のご案内をご覧下さい↓。

http://senben.org/archives/3525

法教育全般については、「法教育」で検索いただくといろいろ出てきますが、「法教育フォーラム」のHPは、雰囲気・概要が伝わりやすいかと思います↓。

http://www.houkyouiku.jp/

インターネットを通じての(海外)旅行契約は一般化していますが、旅行業者がイタリア旅行ツアー(8日間)につき、本来は旅行代金約36万円のところ、約8万円と表示してを、申し込みを受け・メール返信等を行ったケースにつき、約8万円での契約成立を認めたものです。法的請求・結論としては、旅行業者が契約の成立を争ったので、消費者側は他の業者と契約し旅行に行かざるを得なかった損害を求める事案で、旅行業者に代金差額等の賠償(約27万円)を命じたものです(判時2146号69頁)。

誤表示の場合には無条件で契約が成立するという判断ではなく、旅行業者の申し込みを受けてからの対応や約款の解釈等も検討されていますが、インターネットを通じての(海外)旅行契約について参考になるものと思われます。

事案を簡略化しますと、A、B、Cの兄弟姉妹で遺産分割協議を行うにあたって、事実上協議内容はまとまっていたものの、Cが未成年者であることから、Cに特別代理人(弁護士)がふされて、遺産分割協議(遺産の多くをAが取得する内容)が成立したケースです。Cの特別代理人としては、Cの利益の観点から、遺産分割協議内容を精査・検討すべきとして、かかる義務違反があったと判断されたものです(判時2146号53頁)。

当然の判断とも思われる一方、事実上協議内容が決まっていたこと、その協議内容を前提にしたかたちで特別代理人が選任された面もあること等、実務の場面では、注意喚起に値する判断と思われ、弁護士業務向けという面もありますが、ご参考までにアップしました。なお、上告されているようです。

 

悪質商法の被害にあわないために(警察庁HPより)

警察庁HPに「悪質商法の被害にあわないために」として、6頁ほどのパンフ(チラシ)がのっています。実際に勧誘を受ける消費者の方が、警察庁のこのページをみて注意するというよりは、金融被害・住宅リフォームなどの実例写真や被害件数がコンパクトにまとまっていますし、「犯罪」である認識をもってもらうためにも、私たち弁護士や相談員が、市民の方々への講座等を担当する際の資料として有用かと思います。

なお、先には「詐欺者からの実録音声」も掲載されていたかと思うのですが、こちらは削除になったようです。

http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan44/akutoku_boushi.pdf

 

担保権の実行としての不動産競売事件において、当該物件(土地・建物)を買い受けたところ、条例の規制により、当該物件(建物)の再築(取り壊して新しい建物の建築すること)ができなかった事案で、買受人から、不動産競売事件で配当を受けた債権者に対する配当金の一部返還請求を認めたものです。返還を認めた金額は金220万円のようで、当該規制がはじめからわかっていれば、金220万円ほど売却代金は低かったとの判断で、法的には、民法568条、566条を類推適用しています。上告・上告受理申立てがなされているようです。

・ 掲載紙 判例時報2145号42頁

・ 関連条文 

民法568条(強制競売における担保責任)
1項 強制競売における買受人は、第五百六十一条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。 
2項 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。
3項 前二項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。
 
民負う566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
1項 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2項 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3項 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

 

建設工事にあたって追加変更契約に関するトラブルが多発していますが、国土交通省の発表によれば、平成23年度において、120件の勧告を行ったとのことです。

なお、建設業法においては次の規定があります。「請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。」(建設業法19条2項)

 

「平成23年度『建設業法令遵守推進本部』の活動結果等について」

http://www.mlit.go.jp/common/000212871.pdf

 

日本証券業協会HPに「営業員ハンドブック」が掲載されています。企業関係のトラブルに関し、従業員個人が責任を負うのか、争点となることもありますが、投資被害関係については、「営業員ハンドブック」に「金融商品取引業者等の事業活動を実際に行う者は、主として投資者に直接接する営業員ですから、営業員の責任は極めて大きく、特にその営業活動の中心となる投資勧誘については、これを適正に行うことが強く要請されるわけです。」(2頁)とあるように、原則として担当者個人も責任を負うものと考えられ、これの参考になる資料と思われます↓(こちらから入手できます)。

http://www.jsda.or.jp/shiryo/guidebook/index.html

消費者契約法に関する報告書です。当該ページが検索しづらい面もありますが、裁判例などがままとまっており、消費者被害救済にも参考になると思われます。

報告書掲載のページ↓。

http://www.caa.go.jp/planning/23keiyaku.html

提訴時にマスコミ等での報道がなされた事件の判決が出されたとのことです。判決文を入手できていませんが、判例雑誌において、裁判所の判断が示された(県に143万円の賠償を命じるもの・教諭個人責任は棄却)との報道がなされており、今後の同種被害防止のためにも重要な結論と思われ、取り急ぎ、ご報告させていただくものです(判例地方自治№354・120頁)。

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