2014年3月アーカイブ

古典の部類に入り、また、専門的な読み物ですが、ブランダイスルールなど現代の教科書にのっている知識・理論が生まれた時代の書簡集であり、大きな知的刺激を得られるものです。入手は容易ではないかもしれませんが、年度替わりの少し時間がとれるときなど、一読する価値があると思われます。

 

O.W.ホームズは、1841年生まれ1935年没の、ハーヴァード大学教授を経て、合衆国最高裁判所裁判官を30年間つとめたもので、H.J.ラスキは、1893年生まれ1916年没の、ロンドン大学教授、イギリス労働党指導者です。

 

書籍末尾の紹介では「二人の傑出した知識人が1930年代の激動の時代にあって、静かに本を読み、その感想を書き送り、また、周辺にあらわれるさまざまな人物と出来事を分析し、それらを鋭さをひめたユーモアで表現してゆく、ラスキ23歳、ホームズ75歳のときから始まって20年間に及ぶ数多い書簡の中から、最も興味深いものを選び編成したこの書簡集は、読む者の心をとらえ、知的理解を触発しつつ、その基礎を流れる時代の知性史を明瞭に提示する。」と書かれています。

ダイジェスト版のみしか確認できていませんが(判例地方自治377号120頁に掲載あり)、運転者は警察官に「耳かきしながら運転していたこと」「携帯履歴を確認するよう促したこと」等の事情がありながら、警察官は携帯履歴の確認・調査をしなかったというもので、警察官の捜査報告書や陳述書の信用性を否定し、反則処分取り消し・ゴールド免許交付を認めたものと報告されており、反則事案の処理の参考になると思われます。

児童手当法15条は、「児童手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。」と規定していますが、児童手当が銀行口座に振り込まれると通常の預金債権となってしまい、差し押さえ可能とする考え方もあります。しかしながら、児童手当が振り込まれることを認識しながら振り込まれた直後に預金債権を差し押さえてしまえば、最低限度の生存を確保するための法令の趣旨を失わせることは明らかであり、広島高裁松江支部平成25年11月27日(金融・商事判例1432号8頁)も、その考え方にたって、県側の差押行為を違法としたものです。

名古屋地裁平成25年4月26日(判例時報2205号74頁)は、「地下水が浅い位置にある場合、建物の基礎として直接基礎を採用できず、地盤改良をしても効果が期待できない上、一般的な地盤改良方法である柱状改良工法を用いても、流し込んだセメントが湧水層に流出してしまうため地盤改良の効果がないから、鋼管杭による杭地業工事でもって地盤改良をする必要がある。」との判断を示して、「瑕疵」の存在を認めました(控訴審で和解)。

 

土地売買の瑕疵担保責任が認められた事案として、東京地判平成23年1月20日(判例時報2111号48頁)などがありますが、本件は、宅地・地盤につき、地表面の水位が問題とされた事案として、実務上も参考になると思われます。

国際航空に関しては、大量輸送等の観点から、顧客の被害額・救済方法を制限する規定(条約)がありますが、大阪地裁平成24年12月12日は、航空会社の不誠実な対応も指摘し、「本件条項の2年の期間制限をいかなる場合にも形式的に適用しなければならないことまで本件条項が規定しているものとは解されない。本件条約が、国際航空運送における消費者の利益の保護を確保することの重要性及び喪失利益の回復の原則に基づく衡平な賠償の必要性と、国際航空運送事業の整然とした発展並びに旅客等の円滑な移動等との、均衡を図ることを趣旨としたことからすれば、国際航空運送における消費者の利益の保護と国際航空運送事業の発展との間の均衡を著しく失し、不合理な結論をもたらす特段の事情がある場合には、本件条項は適用されないと解すべきである。」と判示し、モントリオール条約(国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約)35条提訴期間制限規定の適用を排除し、航空会社に金1235万円超の賠償を命じたものです(判例時報2203号92頁)。

 

条約そのものの当否はおくとしても、個別具体的な被害救済を図る適切な判示と思われます。

 

なお、手荷物遅配によって海外視察をTシャツ・短パンで行うことを余儀なくされた被害事案について、航空会社の賠償責任を認めたものとして、仙台地判平成15年2月25日(判例タイムズ判決1157号157頁。最高裁で確定)があります。当時、大きく取り上げられ、同種事案も多数報告されています。

 

支援のホームページ(判決文などあり)

http://homepage2.nifty.com/kekkanzenkokunet/old/klm-top.htm

本日(3月10日)、ご遺族の方々が、訴訟を提起されました。

 

『世の中は自分のみえるようにしか存在しないし、自分は他人からみえるようにしか存在しない』

 

3月11日の出来事さらには被害者の方々の行動と声と苦しみを、きちんと自分のこととして向き合うためにも、一度は読まれることをお勧めします。

本件は県・市の賠償責任を認めた例として参考になるものですが、自動車転落被害について国家賠償法2条の責任追及が多いといわれるなか、国家賠償法1条1項に基づく責任を認めた点でも参考になると思われます(判例時報2199号40頁。控訴あり)。

 

国家賠償法

1条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

2項 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

2条1項 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。

2項 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。