2014年6月アーカイブ

概要・全文は裁判所ホームページに掲載されています。

裁判所HP

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84136&hanreiKbn=04

 

近時、暴風雪や急激な気候の変化による、道路上での被害事案が多発するようになっており、参考になる裁判例と思われます。

大阪地裁平成25年11月25日(労働判例1088号32頁、判例時報2216号122頁)は、地公法32条1項ただし書きが、遺族補償年金の受給要件として、配偶者のうち夫についてのみ年齢要件を付加している点につき、種々検討を重ね、「地公災法の立法当時、遺族補償年金の受給権者の範囲を画するに当たって採用された本件区別は、女性が男性と同様に就業することが相当困難であるため一般的な家庭モデルが専業主婦世帯であった立法当時には、一定の合理性を有していたといえるものの、女性の社会進出が進み、男性と比べれば依然不利な状況にあるとはいうものの、相応の就業の機会を得ることができるようになった結果、専業主婦世帯の数と共働き世帯の数が逆転し、共働き世帯が一般的な家庭モデルとなっている今日においては、配偶者の性別において受給権の有無を分けるような差別的取扱いはもはや立法目的との間に合理的関連性を有しないというべきであり、原告のその余の主張について判断するまでもなく、遺族補償年金の第一順位の受給権者である配偶者のうち、夫についてのみ60歳以上(当分の間55歳以上)との本件年齢要件を定める地公災法32条1項ただし書及び同法附則7条の2第2項の規定は、憲法14条1項に違反する不合理な差別的取扱いとして違憲・無効であるといわざるを得ない。」と判示しました。

 

本件は控訴されていますが、個別具体的な事案における不合理な理論・結論を救済する意義ある判示と思われます。

控訴されていますが、「(行政が)費用返還義務の履行を受けるに当たっては、一般債権者に優越する何らかの地位にあると解すべき法令上の根拠も認めることができない。」との判断が示されるなど、生活保護と破産手続・制度との関係性や実務的処理を行ううえで参考になるものと思われます。

いわゆる非常勤行政委員の月額報酬問題については、業務実態にあわない高額報酬などが問題となり多数の住民訴訟が提起され違法判断が占めされてきましたが、最高裁平成23年12月15日判決(判例時報2162号45頁)後は住民側の主張・請求を結論としては認めない判断が続きましたが、東京地裁平成25年10月16日(判例時報2218号10頁)は、前記最高裁の規範を前提に、「前記アに述べたところに照らし、杉並区選挙管理委員の報酬の支給の在り方として月額報酬制を採用した本件条例の規定が直ちに地方自治法203条の2第2項の規定に違反するとはいえないとしても、同項の規定は、その本文に規定する内容から明らかなとおり、非常勤職員の報酬について、いわゆる生活給としての要素を含まず、飽くまで職務の遂行への対価として支給されるものであることを前提とするものと解されるところ、本件条例4条2号は、月額報酬は、これを受ける者に対し、その月の25日から末日までに支給する旨を定めており、これを含む本件条例の規定によれば、杉並区選挙管理委員がその職にあった特定の月の全て又はその大部分の日において疾病等のために職務を遂行することができなかった場合にも、当該月分として月額をもって定められた報酬の全額が支給されることになるのであって、本件にみられるように、上記のような場合を含め、その勤務の態様等を格別考慮することなく、一律に上記のように報酬の支給をするものとすることについては、その全額が当然に職務の遂行への対価として支給されるものと解することは困難であり、A元委員について、本件全証拠をもっても、これと異なって解すべき事情は格別認められない。」「以上に述べたところによれば、杉並区選挙管理委員に対する月額報酬の支給を本件条例の上記の規定によるものとすることについては、本件期間中のA元委員におけるような場合を含めて一律に月額報酬の全額を支給するものとする限りにおいて、地方自治法203条の2第2項の規定の趣旨に照らした合理性の観点から議会の裁量権の範囲を超えるものとして、同規定に違反し、無効であるというのが相当である。」と判断し、金140万円ほど(月額報酬24万2000円の6か月分)の返還を命じました。

 

本件は控訴されているようですが、前記最高裁判決後も、非常勤行政委員の月額報酬問題は、看過されるべき問題ではないことを明らかするもので、重要な意義を有するものと思われます。

 

 

 

自筆証書による遺言は、事後のトラブルとなることが少なくないですが、①は遺言者の自筆と認められないとし、②はサイン様のものでは押印要件を満たさないとし、それぞれ、無効とされた事案です(①は確定、②は控訴。①につき判例時報2215号100頁、②につき同118頁)。

 遺言作成(その相談)は増加しているようですが、実務上の判断例としてご参考としてアップします。