2014年7月アーカイブ

自転車便の運転車が起こした交通事故について、自転車便業者(注文者)と自転車便運転車(請負人)との関係は労働関係ではなく請負関係であるから、自転車便運転車(請負人)に独立性があり、それゆえ自転車便業者(注文者)に使用者責任は認めらないのではないかと論点がありますが、本件では、法形式にとらわれることなく、実質的な指揮命令関係を把握し、自転車便業者(注文者)の使用者責任を認めたものです(判時2220号59頁)。

実質面を把握し、被害者保護の趣旨からも妥当な判断であり、今後の同種事案・使用者責任事案にも参考なると思われます。

著者は、ご自身もストーキング被害に遭われ、これまでカウンセラーとして1500件を超える相談を受け、多数の被害者・加害者と向きあってきたといわれます。その実体験に基づき、被害者保護はもとより、加害者の一人ひとりが自分の心の問題・闇の「扉」を開く「鍵」を見つけることによる本質的解決の視点など、私たちが向きあうべき貴重な事実と示唆とが書かれています。

昔は「お前を殺すと予告する人は本当に殺す気はない」などと言われていましたが、現在はそうではなくなっており、人間の本質は時代が経ってもそうそう変わらないと思われる一方、その本質の『現れ方』は時代の変化とともに変わっているのでしょう。現代の法律実務家としても一読・勉強すべき書籍と思われます。

最高裁平成26年2月25日判決(判例時報2222号53頁)は、①委託者指図型投資信託の受益権については、金銭支払請求権のほか信託財産に関する帳簿書類閲覧請求権等の可分給付を目的とする権利でないものも含まれていること、②個人向け国債については、一単位未満での権利行使が予定されていないこと等から、それぞれ、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないと判示しました。

預金債権は通常相続分に従って分割されると理解されていますが(最高裁S29・4・8)、定額郵便貯金債権は当然に分割されないとされています(最高裁H22・10・8)。

これらと併せ、相続問題の処理・解決にあたって注意・参考となる判断です。

東京高裁平成25年9月4日判決(判例時報2218号134頁)は、「本件各銀行は、預金債権を有する口座名義人から、その預金債権の行使として自己名義の通帳やキャッシュカードを用いて預金の払戻し請求がされた場合、いかなるときでも直ちに支払に応じているわけではなく、それぞれその普通預金規定において、預金が法令や公序良俗に反する行為に利用され、又はそのおそれがあると認められる場合には、銀行側において、その預金取引を停止し、又はその預金口座を解約することができるものと定めて」いることなどから、犯罪行為者(及びその関与者)の行員を相手とする払い戻しにつき詐欺罪、現金自動預払機からの払い出しにつき窃盗罪が成立するとしました(確定)。

刑事事件における判断ですが、民事上、被害者が銀行等から返還を受ける方向を確保・拡大する方向にあるものと理解され、投資詐欺等の被害救済の参考にアップしました。

東京高裁平成25年11月28日(判例時報2216号52頁)は、NHKの放送につき、名誉侵害・違法性を認定しました。東京高裁も、「確かに、法律上、放送事業者がどのような内容の放送をするか、すなわち、どのように番組の編集をするかは、表現の自由の保障の下、公共の福祉の適合性に配慮した放送事業者の自律的判断に委ねられているが(最高裁平成19年(受)第808号ないし同第813号同20年6月12日第一小法廷判決・民集62巻6号1656頁参照)」と配慮するとおり、報道の自由は最大限尊重されるものですが、近時のNHKの公共放送としてのあり方が厳しく問われる、重要な意味があるものとわれます。

 なお、本件は上告・上告受理申立てがなされています。

大阪高裁平成25年8月29日(判時2220号43頁)は、大都市部と異なる地域性もふまえ、集団で、特定の者との付き合いをなくしたり、無視したりする行為につき、「いわゆる村八分ないし共同絶交を宣言したもので、これらの一連の行為は、社会通念上許される範囲を超えた人格権を侵害する違法行為」と述べ、加害者側に金44万円の支払いを命じた一審判決(神戸地裁杜支部平成25年3月26日)を維持しました。

 案としてもめずらしいものであり、地域社会・コミュニティを考える上で参考になると思われます。

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