2014年8月アーカイブ

原審の東京地裁平成25年9月24日は銀行の注意義務違反・賠償責任を認めませんでしたが、東京高裁平成26年3月13日判決(判例時報2225号70頁)は、銀行の安全確保義務違反を認めたものです(確定)。

目撃証人がいない事案であったようですが、東京高裁は、本件床面の滑り抵抗係数の平均値が「東京都福祉まちづくり条例施設整備マニュアル」が定める安全基準(0.4以上)を下回る状況であったこと(平均0.38)なども指摘しており、事故立証などに参考になるものと思われます。

岡山地裁平成25年4月5日判決(判例時報2210号88頁)は、Aの責任ついて「時々三〇度程度シャンクすることがあることを認識していたのであるから、第二打の際三〇度程度でシャンクした場合にボールが飛ぶ範囲内に原告を含むプレーヤー等がいるかどうかを確認すべきところ、グリーン方向にまっすぐ飛ぶものと過信して、また、原告に他のプレーヤーのショット位置より前に出るというくせがないことから、原告は前方に進んでいないと思い込み、原告の動向や存在を確認することなく第二打を打ったこと及び第二打をシャンクさせたことに過失が認められる。」とし、キャディの責任について「(キャディは)、同伴プレーヤーは互いに他のプレーヤーがショットをする前にその前方に出てはならず、ショットするプレーヤーは、ショット前に打球が飛ぶ範囲内に同伴プレーヤー等がいる場合にはショットをしてはならないとされており、これに反する行動をプレーヤーが採ろうとする場合には同行するキャディとしてはこれを注意して阻止すべきところ、一三番ホールまでの原告とAの観察の結果、その程度の基本的なマナーやルールまで両名に注意する必要はないと過信して両名の十分な観察を怠り、その結果、必要な注意喚起を行わなかった過失があるといわざるを得ない。」とし、ゴルフ場運営会社はキャディの使用者として責任を負うものとし、他方、原告につき「同伴プレーヤーは互いに他のプレーヤーがショットをする前にその前方に出てはならないとされているところ、原告の第二打のボールがグリーンに乗ったかどうかの確認に気を取られ、被告乙山のボールが右三〇度前方に飛ぶことはないと過信し、Aの行動を確認しないまま不用意に前方に進んだことに過失が認められる。」とし、過失相殺を行った(控訴審で和解)。なお、原告は左目を失明されている。

 スポーツ事故の事例として参考になるものです。

実務家・関係者にとって必須の講義です。
概要・申込方法は、下記とおりです。
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下記の要領でシンポジウムを開催します。参加希望の方は下記申込書或いはメール(kc-law@bloom.ocn.jp)でお申し込み下さい。

● 日時 8月24日(日)13:30~16:00

 内容 13時30分~ シンポジウム

・ 開会の挨拶、事務局報告(東日本大震災後の状況等)

・ 講演会 講師 吉岡和弘弁護士

プロフィール 欠陥住宅全国ネット幹事長、姉歯マンションにつき約14億円の賠償を命じた横浜地裁判決の主任代理人など

・ 質疑応答

● 場所 仙台弁護士会館4階ホール(青葉区一番町2-9-18)

※ 仙台弁護士会HPご参照ください → http://senben.org/location

● 参加費 資料代等として500円頂戴します

● 問合先 千葉晃平法律事務所 電話022-713-7791

※ 申込書

 

千葉晃平法律事務所 宛て

FAX022-713-7792

申込書

8月24日(日)欠陥住宅被害東北ネット総会・シンポジウムにつき、次のとおり申し込み致します。

 

1 シンポジウムについて

(   ) 参加します。

(   ) 欠席します。

申込者】

 

平成26年  月  日

 

お名前

 

※ 会員以外の方は、以下もお知らせ下さい。

連絡先住所・ファクス等

 

所属 弁護士、建築士、相談員、研究者、一般、

その他(              )

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最高裁平成26年7月24日判決は、「これを本件についてみると、指摘された社会情勢等の事情を本件の量刑に強く反映させ、これまでの量刑の傾向から踏み出し、公益の代表者である検察官の懲役10年という求刑を大幅に超える懲役15年という量刑をすることについて、具体的、説得的な根拠が示されているとはいい難い。その結果、本件第1審は、甚だしく不当な量刑判断に至ったものというほかない。同時に、法定刑の中において選択の余地のある範囲内に収まっているというのみで合理的な理由なく第1審判決の量刑を是認した原判決は、甚だしく不当であって、れを破棄しなければ著しく正義に反すると認められる。」と述べ、第一審及び原審判決を破棄しました。

実務上の求刑の意味とその拘束力を示すもので、刑事実務の場面において重要な意味をもつ判断と思われます。

判決は最高裁HPに掲載されています。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84339

弁護士の業界誌ですが「自由と正義」の最新号(8月号)の特集にもなっています。そのなかの松澤陽明弁護士による論稿「行政不服審査法の改正の意義とその限界」により、改正内容・意義と背景・今後の課題等を分かりやすく解説されています(自由と正義9頁以下)。

また、公金検査請求制度の提言もなされています(自由と正義16頁以下)。

 

松澤論稿で概要把握に分かりやすいと指摘されている総務省HPは下記です。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000279329.pdf

請求人は国、賠償義務者・製造者は川崎重工業株式会社です。

自衛隊機が前進飛行を開始しようとした際に、突然、急激にエンジンが出力を失って落着し機体損傷・搭乗者2名が重症となる重大事故であり、国民・近隣住民との関係で国・自衛隊の責任・問題も問われる事案と思われますが、ここでは製造物責任の論点に絞ると、東京高裁平成25年2月13日判決(判例時報2208号46頁)が「『欠陥』の存在についての主張、立証は、本件エンジンを適正な使用方法で使用していたにもかかわらず、通常予想できない事故が発生したことの主張、利生で足り」るとして、それ以上エンジン内での欠陥部位や科学的機序の主張・立証は不要であると判示した点は、製造物責任法の趣旨から当然のことですが、他の被害事案における被害救済に役立つものと思われます。

最高裁平成26年3月14日判決(判例時報2224号44頁)は、「時効の期間満了前6箇月以内の間に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合において、少なくとも、時効期間の満了前の申立てに基づき後見開始の審判がなされたときは、民法158条1項の類推適用により、法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は、その者に対して、時効は、完成しないと解するのが相当である。」と判示しました。

 

似た事案の最高裁の判断(平成10年6月12日・判例時報1644号42頁)の流れに沿うものですが、はじめての判断であること、時効期間経過前の審判申立てが必要とされていること、さらに、後見人に就職した場合の援用権行使期間など、実務上、留意すべきものと思われます。

水戸地裁下妻支部平成25年10月11日判決(判例時報2222号83頁)は、「原告が症状固定の診断書を被告側任意保険会社に提出して事前認定の手続を進めさせてから平成25年2月23日に本訴を提起するまでの経過は、原告が本件交通事故による損害賠償請求権を行使する一連一体の行為と捉えることができ、そうすると、本件では本件交通事故から20年の除斥期間内において権利行使がなされたと見るのが相当であるから、これによって除斥期間の満了は阻止されたことになると解するのが相当である。」「本件では民法724条後段の適用はない。」と判示しました。

民法724条後段を古典的な除斥期間と解する見解はもはや少数派と言われていますが、この点をおくとしても、本件は個別具体的な被害実態及び事実経過に鑑み、被害救済の途を開く参考となるものです(なお、控訴されています)。

ご迷惑おかけしますが、8月13日(水)~15(金)まで、当事務所は音声電話応となります。18日(月)から通常どおりです。
お急ぎの方は、お手数ですが、下記アドレス宛メールでご連絡下さい。

kc-law@bloom.ocn.ne.jp

自治会長は、自治会に加入義務がなかったにも関わらず、当該住民へ繰り返し加入・支払いを求め、「あなたは本団地に居住する資格はありません」などと赤文字で記入された文書を交付すなどした事案であり、福岡高裁平成26年2月18日判決は、「執拗な行為」として不法行為の成立を認め金5万円の賠償を命じた一審判決を維持しました(判例時報2221号42頁。確定)。

自治会・町内会のあり方は度々裁判となっており、参考事例としてアップします。

東京地裁平成26年1月27日判決は、当該労働者の個別の業務量や業務実態等を踏まえ業務起因性を肯定しました(判例時報2221号107頁。確定)。

エステティシャンという業務形態における事案としても参考になると思われます。

マスコミ等でも報道されていますが、正式名称は『「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会による『調査報告書 平成26年7月31日』』で、ゼンショーのホームページから全文ダウンロードできます。

http://www.zensho.co.jp/jp/news/company/2014/07/20140731.html

 

第三者委員会については種々意味合いがありますが、本件は日弁連「『企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン』の策定にあたって」に準拠しているとのことで、同ガイドラインも日弁連のホームページじから全文ダウンロードできます。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2010/100715_2.html


ここ3年間で1572店舗から1986店舗と400店舗を超える新規出店がありながら、在籍社員は575名から561名に減少するなど、具体的な数字や現場労働者のアンケート結果が記載されており、本文は50頁程度ですので、その報告手法も含め、参考になろうかと思われます。

妻も同じグループ会社に勤めており、保育所等もみつからず、やむなく育児休業をとらざるを得なかった事案とのことで、裁判所から、標記解決案(審判)が示されたものの、双方納得せず、訴訟継続中とのことです。民間企業における男性の育児休業取得率は平成23年度の時点で僅か2.63%と報告されており(男女共同参画白書)、根深い問題が存する状況とともに、裁判所の解決案(審判)に対し労働者側が納得しなかった点は、裁判所が本件問題の本質・労働者おかれた真の立場に十分にせまることができなかったのではないかとも思われます。

(本件は労働判例1091号95頁にダイジェストが掲載されています。)