2014年12月アーカイブ

お手数おかけしますが、宜しくお願い申し上げます。

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メール kc-law@bloom.ocn.jp
毎年公表されているものです。今年の動向が分かり、また、今後の対策にも役立つものです。
こちらで公表されています↓。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141218_1.html

東京地裁平成26年4月14日判決(判例時報2233号123頁)は、鉄道高架橋のブロック片落下事故によって頭部を受傷した被害者が、相当期間経過後に知的障害・高次脳機能障害等が発生したとして事故後26年以上経過した後に損賠賠償を求めた事案において、民法724条前段については「被害者がその請求権を行使することができる程度に具体的な認識が必要」として、民法724条後段については「損害の性質上加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が生じる場合」として、いずれも加害者側の主張を排斥し、1億5884万円超の損害賠償を命じました(控訴あり)。


民法724条後段を古典的な除斥期間と把握していると思われる点は問題ですが、その除斥期間の不合理性を乗り越える事案として、実務上、参考になるものです。

ご来所の際はお気を付け下さい。予定の変更等も遠慮なくご連絡下さい。

 2014/12/18 8:00
いわゆる大臣認定は問題も多いですが、国土交通省HPで公表されています。
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000520.html

知的財産権の事案であり工業所有権に関する手続等の特則に関する法律5条1項の規定によるいわゆるオンライン送達の手続での問題ですが、送達受領者の意思能力の問題など一般的にも問題になり得るもので、実務上も留意すべきものと思われます(判例時報2233号137頁)。

さいたま地裁平成25年7月10日判決(判例地方自治387号83頁)は、当該業者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供利益について、その広告に商品名・商品購入代金・業務内容等を明示せず著しく高額な月収額を表示するなど誇大広告の禁止(特商法54条)に該当すること、放置すればさらなる被害が生じうることなどを指摘し、処分行政庁の判断は適法・有効であるとして、当該業者の請求を排斥しました(確定)。

本件に先だって、行政処分の適法・有効性も争われており、東京高裁平成23年7月13日も、適法・有効性を認めています。消費者保護の観点から行政処分を行うにあたって検討・執るべき手続き等が確認できる裁判例です。

東京地裁平成26年8月21日判決(金融・商事判例1453号56頁)は、娘がATMで引き出そうとした後、銀行担当者が事情確認の際に、娘が建築費用支払いのためであるとか不自然な説明を行っていること、預金残高のほぼ全額の引き出しであること等の事情がありながら、本人へ意思確認しなかったことに注意義務違反を認めたものです。銀行側の免責特約の主張も排斥しました。


控訴れているとのことですが、銀行側の杜撰な対応への判断として実務上も参考になると思われます。

いわゆる自衛隊護衛艦たちかぜいじめ自殺被害の東京高裁平成26年4月23日(労働判例1096号19頁)です。被害者・ご遺族・弁護団のご活動には頭の下がる思いです。厳しく非難されるべきいじめの実態、判決内容は広く報道されています。ここでは自衛隊側による文書隠匿(虚偽報告)に対する違法性を認定した点を取り上げます。前記東京高裁は、自衛隊が被害者自殺後にたちかぜ乗員に対して行ったアンケートにつき「本件アンケートを保管していながら、・・・本件アンケートは廃棄済みであり所持していないとの理由で開示しないとの通知がされ」たこと、砲雷長・艦長等の間の事情聴取が記載されたメモにつき「艦長が、乙第43号証メモを保管していながら、・・・これを特定せず隠匿した行為」を違法とし、賠償を命じました(確定しています)。

 害者側の情報開示・誠実対応義務は、確定した規範になっており、今後の被害予防・救済の力になるものと思われます。

民法708条では「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」(不法原因給付)とされており、これによれば本件事業者(無限連鎖講の実施者)から、各会員への給付の返還はできないものとも考えられるところ、最高裁平成26年10月28日判決(金融・商事判例1454号16頁)は、会員側の返還拒絶は、信義則上許されないと判示し、会員側へ返還を命じました。

本件では、下級審(東京地裁・東京高裁)とも会員側の返還拒絶を認めていたものですが、最高裁は、請求権者が破産管財人であること、返金を受けた場合に使途(配当)等も考慮し、上記判断を示しました。

法708条(不法原因給付)の実務的感覚を理解するものとして参考になるものです。