2015年8月アーカイブ

ケース1で報告される案件は、代々いわゆるエリート・資産家の家系で、「業界屈指の法律事務所」を経営する弁護士夫婦の長男(統合失調症)が、受験の失敗・飼いネコ撲殺等々を経て務所生活を送らざるを得ない過程における家族の過酷な状況が報告されているなど、複数の実例が報告され、現在の日本の実態を知ることができます。書籍タイトルは刺激的ですが、内容は、子どもに「問題行動」が起きたときに、親に「おそらく、子供のことよりも優先していた『何か』があるはずです。」(274頁)など、問題解決の本質を探る視点が示されており、現代の法律問題への対応への示唆にも富んでいます。

被相続人死亡が昭和63年6月、相続放棄申立てが平成26年7月の事案です。原審(佐賀地裁H26・10・17)は相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があったとも認められないとして、昭和63年6月を起算点として、相続放棄の申立てを却下しましたが、福岡高裁平成27年2月16日(判例時報2259号58頁)は、共同相続人の1人が全て相続し自らは相続すべきものがないと信じたことに相当の理由があるなどの事情から、債権者からの通知を受けた平成26年7月を起算点として相続放棄を受理・認めました。

当然の判断かとは思われますが、実務上、問題となる場面も多く、参考になると思われます。

裁判所から選任された成年後見人から銀行に対する預金払請求に対し、銀行が通帳・印鑑について別の者が所持しているとして約款に基づき支払拒絶した事案です(福岡高裁平成27年2月12日・判例時報2260号52頁。確定しています)。実務上、銀行が自らの約款を主張し、これに拘泥して、他の社会制度(成年後見や訴訟回避のための方策)をないがしろにする扱いが散見されますが、そのような不当な扱いを是正する意味合いもあろうかと思われます。

大阪高裁平成26年1月23日(判例時報2261号148頁)は、分譲マンションの売主が、自ら隣接地にマンションを建設予定であったことについて、(購入者らにとって)「マンションを購入するか否かを検討するに当たって極めて重要な情報」であったにも関わらず、これによる日照被害等の説明を怠ったものとして、売主に賠償を命じました(各10~20万円)。

同一業者による隣接地マンション販売については、『眺望二度売り』などとして事後のマンション建築が差し止められた仮処分裁判例もあります(仙台地裁平成7年8月24日・判例時報1564号105頁)。

いずれも、マンション販売に係る業者・売主側の注意義務を把握し、被害予防救済に役立つ判断と思われます。

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