2017年10月アーカイブ

札幌地裁平成28年3月3日決定(判例時報2319号136頁)です。

刑事関係の証拠判断として重要な参考裁判例です。

判例時報2338号112頁に掲載されています。

上告されていますが、民事上の注意義務違反、ひいては被害者救済にも参考になる判示です。

東京地裁平成28年6月29日判決(労働判例1150号33頁)は、学校側が生徒とのトラブルを理由に年度途中クラス担当を外した行為につき、「本件解任は、教員の重要な業務であるクラス担任としての職務を剥奪するものであり、クラス担任の年度途中での変更が異例の措置であり、教員としての不適格性を推知させるものである上、本件解任は、前記認定のとおり、必要性及び合理性を欠く措置であって、その決定に当たってD1の弁解の聴取などの相当な手続を経ていないことからすると、本件解任によってD1は職務上、精神上の不利益を被るものといえる。」として、私立高校側の不当労働行為を認定しました。

 

本件は不当労働行為の場面ですが、現場教員におけるクラス担任の重要性や、これを年度途中に外すことの対外的意味・効果等も踏まえた判断で、教員に対する違法・不当な取扱いに対する私法上の救済にも参考になるものと思われます。

判例時報2337号36頁に掲載されています。

破産管財人を原告とする訴訟で、申立人代理人が受任後申立前に、会社代表者へ高額報酬を支払ったり、会社顧客へお詫びの品を送ったりした事案で、申立代理人弁護士と同人が社員となっている弁護士法人へ各635万円超の賠償を命じたものです。控訴後和解となっています。

 

破産債権の総額は3億3500万円超・債権者数80名超からしても当然の判断と思われますが、実務上、参考になるものと思われます。

既に報道されているとおり、アディーレ法律事務所が東京弁護士会から懲戒処分(業務停止2ヵ月)を受け、依頼者との委任契約を全て解消していること等について、アディーレ法律事務所へ依頼されていた方々から多数の相談がよせられています。

取り急ぎ、仙台弁護士会などの相談窓口をお知らせいたします。

 

〇 仙台弁護士会

http://senben.org/archives/7023#more-7023

日   時:平成29年10月26日(木)~11月1日(水)の10時~20時
     *10月28日(土)及び29日(日)は除く。
電話番号:022-721-3526(通話料は相談者の負担です)
電話相談料:無料(相談後、事件受任の場合は弁護士費用がかかります)
相談担当者:当会所属の弁護士

 

 

〇 東京弁護士会

 

 ホームページに順次新しい情報が掲載されています。

https://www.toben.or.jp/

 

〇 アディーレ法律事務所

 

 業務停止中はホームページも閉鎖しなければなりませんが、今回は例外的に許可を得ての掲載です。

 

 弁護士会からの業務停止処分についての
お詫びと契約解除の状況に関してのご案内

 https://www.adire.jp/

宮城県地方税滞納整理機構はじめ各地方税滞納機構の違法・強硬な態度に社会的批判も高まったいます。

※ 河北新報記事

10万円以下の給与「機構の差し押さえは違法」パート女性が県と市を提訴へ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171020_13035.html

 宮城県地方税滞納整理機構が、銀行口座に振り込まれた月10万円以下の給与を「預金」と見なして差し押さえたのは違法だとして、宮城県大崎
市のパート従業員の女性(63)が今月中にも、県と市に220万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こすことが19日、分かった。200
9年の機構設置以来、差し押さえの違法性を問う初の訴訟となる。
 女性の代理人弁護士によると、女性は08年6月~17年2月分の国民健康保険料など約139万円を滞納。市は今年5月、延滞税を加算した約
197万円の徴収を機構に委託した。
 女性の収入は毎月のパート給与8万~11万円と隔月の厚生年金約7000円。親族から借金して6月に100万円を返し、残りは分割払いを申
し出たが、認められなかった。9月15日、銀行口座に振り込まれた8月分の給与約8万7000円が機構に差し押さえられ、女性は所持金を全て
失った。
 国税徴収法は滞納者の月収が10万円以下の場合に給与の差し押さえを禁じているが、口座に振り込まれた給与が「預金」と見なされれば禁止規
定がない。
 女性側は「支払い意思を示したのに、生活費を根こそぎ徴収された。滞納者の最低限の生活の保持を求める法の趣旨からそれた脱法的な徴収だ」
と主張している。
 機構は大崎市など県内22市町村と県の共同運営で、各自治体からの派遣職員らで構成する。回収の難しい滞納の引き受けや徴収ノウハウの共有
が目的で、当初は3年間の期限付き設置だったが、本年度までの延長が決まっている。

氏名不詳者が、ツイッターに自分の孫娘が安保法制反対のデモに連れていかれて熱中症で死亡したとの記事を投稿したところ、この投稿に原告に無断で原告の画像を利用した事案で、社会的にも話題になったものです。

新潟地裁平成28年9月30日(判例時報2338号86頁)が、経由プロバイダーに対する発信者情報開示を認め、そのことにより、氏名不詳者を特定でき、示談が成立したとのことです。原告(被害者)の代理人は、こうした被害救済に積極的に取り組まれており、被害救済の手法として実務上大いに参考になるものと思われます。

被害者の方の被害状況等からすれば賠償額は法的判断としては通常のものと思われますが、どのような金銭賠償がなされても被害者や関係者の方に被害前の状況が戻るものではないですし、賠償額にとらわれることなく、被害事案の本質に立ち帰った学校現場での取り組みも求められているものと感じられます(判例時報2338号61頁。控訴されています)。

判例時報2338号24頁に掲載されています。

神戸地裁平成28年3月30日判決は、加害者側の自殺に対する予見可能性を否定しており、賠償額の低額さ(数十万円)もあり、評価は分かれるところかと思われ、客観的因果関係は認めていること、学校側の遺族に対する対応への違法性を認めていることなど、本件のみならず被害救済につながる判断と思われます(確定しています)。

東京高裁平成27年9月25日判決(判例時報2319号123頁)は、弁護人側の『金融商品取引法167条3項(公開買付者等関係者の禁止行為)からすれば、伝達行為は不可罰である』旨の主張に対し、「金融商品取引法が、同法167条1項各号において、公開買付者等関係者が公開買付け等に関する事実を知って自ら取引を行うことを規制している趣旨は、公開買付者等関係者が、職務上知り得た、一般投資家が知り得ない会社内部の特別な情報を利用して株取引を行った場合には、一般投資家に比べて著しく有利になるのであって、そのような取引は極めて不公平であることに加え、そのような取引を放置すると、証券市場の公正性と健全性が損なわれ、ひいては、証券市場に対する一般投資家の信頼が失われることから、そのような不公正な取引を防止しするところにあると解される。そして、公開買付者等関係者が自ら取引をしない場合であっても、第三者に公開買付け等に関する事実を伝達して、脱法的に第三者に取引を行わせる場合があり得るのであり、そうでないとしても、公開買付者等関係者から公開買付け等に関する事実の伝達を受ける第三者は、公開買付者等関係者と何らかの特別な関係にあると考えられ、そのような者が取引を行った場合にも証券市場の公正性が害されるから、金融商品取引法は、同法167条3項において、公開買付者等関係者から公開買付け等に関する事実の伝達を受けた第一次情報受領者による取引も禁止の対象としている。このように、同条3項の規制は、同条1項各号の規制を補完し、インサイダー規制の趣旨を徹底することを目的としたものと理解できる。」「このように、金融商品取引法は、公開買付者等関係者自身が公開買付け等に関する事実を知って自ら取引を行うことを規制しており、それに加えて第一次情報受領者による取引をも規制してインサイダー取引の規制の徹底をはかっているのであって、そのような金融商品取引法のインサイダー取引の規制のあり方に照らせば、同法167条3項違反の罪の教唆行為は十分に可罰的であると解すべきであって、その教唆行為に対して刑法総則の教唆犯の規定を適用することは、同条の立法趣旨に何ら反していないと解される。」と述べ、原審の有罪判断を維持しました。

 

金融商品取引法の適用事例として、実務上、参考となるものです。

神戸地裁平成28年7月29日判決(判例時報2319号104頁、LEITO105号90頁(LEITOは概要のみ))で確定しています。買主から事故や事件の存在を問われたものの、売主が何もない旨回答した事案ですが、事件・事故を心理的瑕疵として考慮する裁判例は多数あり、判例時報2319号104頁の解説部分に参考文献も含め掲載されています。

 

実務的に問題となることも多く、参考となる裁判例です。

このアーカイブについて

このページには、2017年10月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2017年8月です。

次のアーカイブは2017年11月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

ウェブページ


千葉晃平法律事務所