2018年2月アーカイブ

判例時報2354号105頁に掲載されています。

警察官にパトカーの車載カメラの映像を見せて欲しいと求めたが見せられず、検察庁で見せられたことから、違反事実を認めた事案です。違反者は交通反則による処理を希望したところ認められず、警察段階で応じなかったことから、道交法130条2号「その者が書面の受領を拒んだため・・・第126条第1項の規定による告知・・・をすることができなかったとき」に当たるとして公訴提起されたものです。大阪高判平成28年12月6日は、「警察官の不都合な対応が交通反則告知書の受領拒否の事態を招き」として、第126条第1項の規定による告知ができなかったときに当たらないとして、公訴提起を無効としました(上告されています)。

 

警察側が手持証拠等を提示しない不当性・不合理性を正しく捉えた参考になる判断です。

判例時報2354号50頁に掲載されています。

遺言作成時に80歳を超えておりm18億円を超える財産に関し複雑な内容となっていたようで、裁判上の鑑定が実施され、遺言能力が否定された事案です。秘密証書遺言の形式がとられることは実務上多くはありませんが、遺言能力の判断など参考になるものです(控訴されています)。

判例時報2354号105頁に掲載されています。

警察官にパトカーの車載カメラの映像を見せて欲しいと求めたが見せられず、検察庁で見せられたことから、違反事実を認めた事案です。違反者は交通反則による処理を希望したところ認められず、警察段階で応じなかったことから、道交法130条2号「その者が書面の受領を拒んだため・・・第126条第1項の規定による告知・・・をすることができなかったとき」に当たるとして公訴提起されたものです。大阪高判平成28年12月6日は、「警察官の不都合な対応が交通反則告知書の受領拒否の事態を招き」として、第126条第1項の規定による告知ができなかったときに当たらないとして、公訴提起を無効としました(上告されています)。

 

警察側が手持証拠等を提示しない不当性・不合理性を正しく捉えた参考になる判断です。

判例時報2354号74頁に掲載されています。

MLC契約は在日米軍基地のない地域では聞き慣れない契約形態ですが、国が労働者を雇用するが、その労務を在日米軍及び諸機関に提供する契約とされています。国側主張の労働者のパワーハラスメント等の事実を否定したもので、労働裁判の解雇違法の判断としても参考になるものです(確定しています)。

判例時報2352号74頁に掲載されています。

最高裁平成9年9月4日(集民185号63頁)、最高裁平成18年3月13日(集民219号703頁)の規範を引用し、判断したものです(確定しています)。

 

被害救済はもとより、部活動における学校側の注意義務内容の把握にも参考となるものです。

金融・商事判例1533号8頁に掲載されています。

条文の文言等からは当然の判断とも思われますが、不動産は含まれない(商事留置権は成立しない)とするような過去の下級審裁判例もあるようで、意味内容を明確にしたものです。

最高裁平成29年12月12日(最高裁HP、金融・商事判例1533号36頁)は、「自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ、売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後、購入者の破産手続が開始した場合において、その開始の時点で当該自動車につき販売会社を所有者とする登録がされているときは、保証人は、上記合意に基づき留保された所有権を別除権として行使することができるものと解するのが相当である。」「その理由は、以下のとおりである。保証人は、主債務である売買代金債務の弁済をするについて正当な利益を有しており、代位弁済によって購入者に対して取得する求償権を確保するために、弁済によって消滅するはずの販売会社の購入者に対する売買代金債権及びこれを担保するため留保された所有権(以下「留保所有権」という。)を法律上当然に取得し、求償権の範囲内で売買代金債権及び留保所有権を行使することが認められている(民法500条、501条)。そして、購入者の破産手続開始の時点において販売会社を所有者とする登録がされている自動車については、所有権が留保されていることは予測し得るというべきであるから、留保所有権の存在を前提として破産財団が構成されることによって、破産債権者に対する不測の影響が生ずることはない。そうすると、保証人は、自動車につき保証人を所有者とする登録なくして、販売会社から法定代位により取得した留保所有権を別除権として行使することができるものというべきである。」と判示しました。

 

破産関係の実務においてよく見られる事案であり、重要な判断と思われます。

判例地方自治428号111頁の訴訟情報に要旨が掲載されています。

判決において女性側にも虚偽説明の落ち度があった旨の指摘があったようですが、生活保護行政の現場における対処等のあり方に参考となる判断と思われます。

最高裁平成29年12月12日(最高裁HP、金融・商事判例1533号28頁)は、「仲裁人は、仲裁手続の進行中、当事者に対し、法18条4項の事実の全部を遅滞なく開示すべき義務を負う(法18条4項)。その趣旨は、仲裁人に、忌避の事由である「仲裁人の公正性又は独立性を疑うに足りる相当な理由」(同条1項2号)に当たる事実よりも広く事実を開示させて、当事者が忌避の申立てを的確に行うことができるようにすることにより、仲裁人の忌避の制度の実効性を担保しようとしたことにあると解される。仲裁人は、法18条4項の事実が「既に開示したもの」に当たれば、当該事実につき改めて開示すべき義務を負わないが(同条4項括弧書)、仲裁人が当事者に対して法18条4項の事実が生ずる可能性があることを抽象的に述べたというだけで上記の「既に開示した」ものとして扱われるとすれば、当事者が具体的な事実に基づいて忌避の申立てを的確に行うことができなくなり、仲裁人の忌避の制度の実効性を担保しようとした同項の趣旨が没却されかねず、相当ではない。 したがって、仲裁人が当事者に対して法18条4項の事実が生ずる可能性があることを抽象的に述べたことは、同項にいう「既に開示した」ことには当たらないと解するのが相当である。」「仲裁人が、当事者に対して法18条4項の事実を開示しなかったことについて、同項所定の開示すべき義務に違反したというためには、仲裁手続が終了するまでの間に、仲裁人が当該事実を認識していたか、仲裁人が合理的な範囲の調査を行うことによって当該事実が通常判明し得たことが必要であると解するのが相当である。」と判示しました。

 

仲裁法18条4項につき、関係者の忌避申立の機会を確保するという趣旨から解釈・要件を明確にしたもので、仲裁のみならず裁判外紛争手続などにも参考になる重要な判例と思われます。

 

 

(忌避の原因等)

第十八条  当事者は、仲裁人に次に掲げる事由があるときは、当該仲裁人を忌避することができる。

 当事者の合意により定められた仲裁人の要件を具備しないとき。

 仲裁人の公正性又は独立性を疑うに足りる相当な理由があるとき。

 仲裁人を選任し、又は当該仲裁人の選任について推薦その他これに類する関与をした当事者は、当該選任後に知った事由を忌避の原因とする場合に限り、当該仲裁人を忌避することができる。

 仲裁人への就任の依頼を受けてその交渉に応じようとする者は、当該依頼をした者に対し、自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある事実の全部を開示しなければならない。

 仲裁人は、仲裁手続の進行中、当事者に対し、自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある事実(既に開示したものを除く。)の全部を遅滞なく開示しなければならない。

社会的にも注目された医師の年俸制と残業代が問題になった事案で争点は複数ありますが、最高裁が労働基準法37条(時間外労働への賃金規制)の趣旨につき、「労働基準法37条が時間外労働等について割増賃金を支払うべきことを使用者に義務付けているのは,使用者に割増賃金を支払わせることによって,時間外労働等を抑制し,もって労働時間に関する同法の規定を遵守させるとともに,労働者への補償を行おうとする趣旨によるものであると解される(最高裁昭和44年(行ツ)第26号同47年4月6日第一小法廷判決・民集26巻3号397頁参照)。」と判示しました。

 

残業代請求事案が単に経済的問題にとどまらない人間生活の本質的問題にあることを改めて確認している点でも重要な意義があると思われます。

 

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

○2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。

○3 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。

○4 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

○5 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

横浜地裁平成28年10月12日判決(判例地方自治428号70頁)は、全国学力・学習状況調査における市の小中学校全体の平均正答率の情報公開請求について、条例の定める非公開情報に該当しないとして、行政の非公開決定を取り消しました(確定)。

 

一般的な情報公開請求に関する判断のみではなく、学校教育現場における取扱いとして参考になる判断と思われます。

判例地方自治428号112頁の訴訟情報に要旨が掲載されています。

通常想定し得ないほどの著しく遅れた手続きとの指摘がなされたようであり、当然の指摘とは思われますが、労働者側からの不服申立て等に関する放置事案は本件に限ったものかどうかという問題もあろうかと思われ、根深い問題にようにも感じられました。

東京地裁平成28年2月23日(判例時報2316号77頁)は、「死刑確定者又は代理人弁護士が処遇国賠訴訟に向けた打合せ(その準備の打合せ)をするために秘密面会の申出をした場合に、これを許さない刑事施設の長の措置は、秘密面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認められ、又は死刑確定者の面会についての意向を踏まえその心情の安定を把握する必要性が高いと認められるなど特段の事情がない限り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の秘密面会をする利益を侵害するものとして、国賠法1条1項の適用上違法となる(ただし、代理人弁護士との関係では、国賠法1条1項の適用上違法となる余地はない。)と解するのが相当である。」として、当該事案について、被告国に損害賠償を命じました。

 

最高裁平成25年12月10日(民集67巻9号1761頁)を基礎にした判断として、参考になるものです。

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