弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・家事】面会交流審判で定められた義務を履行しない者に対し、不履行1回につき100万円とする原決定の考え方を一応是認しつつ、30万円と定めた抗告審決定(東京高裁H29・2・8)

    「一件記録によれば、相手方との面会交流を拒否する未成年者の意向には抗告人の影響が相当程度及んでいることが認められるから、抗告人は自ら積極的にその言動を改善し、未成年者に適切な働き掛けを行って、相手方と未成年者との面会交流を実現すべきであるが、従前の経緯や抗告人の原審及び当審における主張からすると、抗告人に対し少額の間接強制金の支払を命ずるだけではそれが困難であると解されること、抗告人が年額2640万円の収入を得ていること、その他本件に現れた一切の事情を考慮すると、本件における間接強制金を不履行1回につき30万円と定めるのが相当である(原決定は、本件における間接強制金を不履行1回につき100万円と定めたが、相手方の原決定前の不履行の態様等に照らして、そのような判断にも理由のないものではないものの、その金額は、上記事情を考慮しても余りにも過大であり相当でない。)。」と判示するものです(判例タイムズ1445号132頁。確定しています)。 

    金額のみならず考え方も実務上参考になるものと思われます。

     

    【裁判・弁護士業務】私選刑事弁護受任につき「軍資金」名目で120万円受領していた行為に関し、弁護士の説明義務違反を認めた事例(大阪地裁H29・9・20)

    判例時報2372号71頁に掲載されています(控訴あり)。着手金は432万円でこちらの返還・賠償は認められなかったようですが、「軍資金」名目で依頼者の方に費用請求する事例は聞いたことがなく、弁護士側に言い分はあるようですが、責任を問われるのもやむを得ないものと思われます。

    【裁判・民事】スノーボードで滑走中の衝突事故について、コース上方を滑走していた者の過失が認められ、被害者の脳脊髄液減少症の発症を認めた事例(さいたま地判30・2・5)

    判例タイムズ1452号179頁に掲載されています。解説部分にスキー事故の最判平成7年3月10日はじめ複数の裁判例があげられています。脳脊髄液減少症以外の後遺障害も考慮したうえで当初の7年間は後遺障害等級9級10号、残り14年間については12級13号と認定し、これらの点も参考となるものです。判決は確定しています。

    【裁判・行政】滞納税の貯金債権差押えについて、実質的に給与差押えを意図したものとして違法とし、返還及び慰謝料・弁護士費用の賠償を命じた事例(前橋地判H30・1・31)

    判例地方自治438号39頁に掲載されています。度々問題になる事例ですが、民間業者による差押事案は交渉で返還を受けることもあり、行政側の遵法精神なども問われる事案と思われます。慰謝料5万円・弁護士費用5000円です。確定しています。

    【裁判・民事】「月間データ量制限なし」と宣伝された料金プランに関し、店頭での説明行為を踏まえても、消費者契約法4条1項(重要事実の不実告知)による取消を認めた事例(東京高判30・4・18)

    判例時報2379号28頁に掲載されています。いわゆるベストエフォート型における契約ですが、現実には消費者側で誤解や不満を生じるケースも少なくない事例かと思います。上告受理申立てがなされているようですが、東京高裁での判断であることも含め、興味深い判断です。

    【裁判・労働】解決金が退職所得にあたらないとする裁判例(長崎地裁H30・6・8)

    公刊物未掲載のようですが、解雇等が問題となった労働事件(先行事件)での訴訟上の和解「解決金」について、

    使用者側が退職所得を主張し税徴収のうえ全額支払わなかったことに関する、後行事件での判断で、

    長崎地裁平成30年6月8日は、使用者側の全額支払いを認める判断を示したとのことです(手続上は、

    使用者側の請求異議訴訟の棄却)。

    使用者側の度重なる理不尽な対応に対し泣き寝入りすることなく権利主張を行われたようであり、

    そうしたご活動も参考になるとともに、法的には労働事件における「解決金」の意味合いを正しく把握する

    裁判例として参考になるものと思われます。

     

    【消費者・参考】国民生活センター・2017年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要

    国民生活センターHPで、2017年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要が公表されています。

    http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180808_1.html

    上記ページから詳細な報告書・数値もみることができます。

    全体像を把握しておくことは消費者被害の予防と救済にも有意と思われ、参考になります。

    【お知らせ】当事務所は「8月10日(金)~15日(水)」の間、音声電話対応になります。

    お手数おかけしますが、8月10日~15日の間、当事務所は音声電話対応になります。

    メール、FAXは通常通りです。宜しくお願い申し上げます。

    【裁判・民事】インターネット上のなりすまし行為に関し、名誉権及び肖像権侵害を認め、損害賠償を命じた裁判例(大阪地裁H29・8・30)

    被告が原告になりすましてインターネット上の掲示板に第三者を罵倒するような投稿等を行ったことにより、原告の名誉権、プライバシー権、肖像権及びアイデンティティ権を侵害されたとして、不法行為に基づき、慰謝料、発信者情報開示費用及び弁護士費用の合計である損害賠償金723万6000円及び遅延損害金を求めた事案です。 

    開示費用等も損害として認めるなど被害救済に参考になるもので、掲載されている判例タイムズ1445号202頁の解説部分にも複数の参考裁判例が掲載されています。一方、プライバシー権及びアイデンティティ権の侵害は認められなかったもので、同解説でも、アイデンティティ権の範囲等の議論は今後の積み重ねとされています。

    【裁判・行政】事業用地取得に関し、売買契約に至らなかったとしても、土地所有者に対する信頼違背の法的責任を負うとして、地方公共団体に対し損害賠償を命じた裁判例(福岡高裁宮崎支部H29・7・19)

    判例地方自治433号45頁に掲載されています(上告・告受理申立あり)。損害は一定時期までの固定資産税相当額とされているようですが、地方公共団体の事業遂行における法的責任の有無・内容等について参考になるものと思われます。