弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 被災者生活再建ノート(弁護士会HP)

    台風19号で亡くなられた方、心からお悔やみ申し上げます。

    被災された方、お見舞い申し上げます。いまなお大変な状況ですが、この間の度重なる大規模災害を踏まえ、

    宮城の弁護士も中心になって生活再建のために取りまとめてきた『被災者生活再建ノート』、取り急ぎ、アドレスをアップします(日弁HP内)。

    https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/pamphlet/saiken_note.html

    被災された方はまだまだこのノートを使用できる状況ではないとは思いますが、支援される弁護士・行政の方々にもご参考いただければと思います。

     

    【裁判・民事】団地管理組合法人の電力供給契約の変更決議がなされたとしても、それに従わない団地建物所有者の行為は、他の団地建物所有者に対する不法行為を構成しないとする最高裁判例(H31・3・5)

    判例タイムズ1462号20頁に掲載されています。

    本件は電力供給に関するもので、それを前提に区分所有法17条、18条等の適否などが問題となったものですが、マンション運営に関し、総会決議(全体の決議)が、個々の所有者等との関係でどのような効力を有するか等について、実務上、参考となると思われます。

    【裁判・労働】職務遂行能力不足を理由とする賃金減額を無効とし、また、パワハラによる損害賠償を命じた裁判例(福岡地裁H30・4・15)

    労働判例1205号5頁に掲載されています(確定)。

    賃金の重要性から減額根拠がないとし、胸をついたり背中をたたいたり「解雇する」「給料を下げる」等の言動について違法性を認めたものです。

     

    能力不足の賃金減額等は労働の現場で実際に行われており、パワハラの認定も含め、実務上、被害救済に参考になると思われます。

    【裁判・民事】A事件における弁護士関与の清算条項により、B事件の請求権も清算されたと判断された事例(東京地裁H30・2・9)

    判例タイムズ1463号176頁に掲載されています。

    弁護士関与の清算条項は和解調書に記載された文言と異なる意味に解すべきではないとされており(最判昭和44年7月10日判例タイムズ238号120頁)、本件もこれに従って判断されたようです。

    事案上も妥当な結論のようですが、弁護士実務としては、和解条項において「本件に関し」をいれるか否かを慎重に検討すべきことを今一度示唆するもので、留意が必要かと思います。

    【裁判・民事】総会前に書面による議決権行使を提出していたものの、総会当日出席した場合にはその時点で書面による議決権行使は撤回されたものとする裁判例(東京地裁H31・3・8)

    金融・商事判例1574号46頁に掲載されています。

    他にも争点はあり、控訴もされているとのことですが、書面による議決権行使制度は株主の便宜のための制度とのことから出席があった場合には撤回されたものと判断しており、株主総会のみならず各種総会にも参考・留意すべき判断と思われます。

    【裁判・労働】新聞記者に対し誤った情報を提供し報道されたことに基づく労組委員長に対する懲戒処分(出勤停止10日間と始末書提出)を有効とした地裁判決を取消し、懲戒処分を無効とした裁判例(大阪高裁H30・7・2)

    労働判例1194号59頁に掲載されています(最高裁で高裁判断が維持されています)。

    労組の活動を委縮させない観点からも留意が必要な地裁・高裁の判断と思われます。

    【裁判・民事】不動産売買契約について、経済的取引としての合理性を著しく欠くとして暴利行為・公序良俗違反無効とした裁判例(東京高裁H30・3・15)

    判例時報2398号47頁に掲載されています。

    不動産の客観的交換価値は少なくとも1億3130万円以上であるにも関わらず半分にも満たない6000万円で売買された事案です。他の要素も重要ですが、原審(さいたま地裁平成29年1月31日)は取引を有効としたなか、本判決は、被害者の窮状・無知等に乗じた事案の救済に参考になるものです。

    【裁判・民事】賃貸借の連帯保証人からの、一定時期以降の保証契約の解除を認め、これ以降の債権者からの請求を権利の濫用として制限した裁判例(横浜地裁H31・1・30)

    判例タイムズ1460号191頁に掲載されています。

    控訴となっているようですが、連帯保証人の負担を1年分の未払い分に制限するものと思われ、とくに連帯保証人からの保証契約の解除を認めたことは実務上も大いに参考となる考え方です。

    【裁判・民事】詐害行為取消しによる受益者の取消債権者への受領済金員への返還債務は、履行の請求を受けた時に履行遅滞になるとする最高裁判例(H30・12・14)

    判例時報2403号56頁に掲載されています。

    これまで不分明とされ、また、民法改正でも明記されなかったもので、実務上、取扱いが基準が示されたものです。

    【裁判・労働】スポーツクラブ支店長職・マネージャー職の労働基準法上の管理監督者性を否定し、時間外・休日労働の割増賃金及び付加金の支払いを命じた裁判例(東京高裁H30・11・22)

    労働判例1202号70頁に掲載されています。一審判決(東京地裁平成29年10月6日。同じ号に掲載あり)を維持したもので、確定しています。

     

    労働基準法上の管理監督者(41条2号。後掲)の場合には労働時間規制が及ばず労働者にとって酷な扱いとなりますが、東京高裁は、労働基準法の規定の趣旨等から判断基準を確認したうえ、労働実態に鑑み該当性を否定したもので、実務上も参考となるものです。なお、付加金は未払割増賃金の約4割相当としています。

     

    (労働時間等に関する規定の適用除外)

    第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

    一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

    二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

    三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの