弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・家族】被扶養者(母)から扶養義務者(子ども)に対する扶養料支払請求において、扶養義務者の配偶者との生活分担生活費に関して配偶者の収入を斟酌することができるとした裁判例(広島高裁平成29年3月31日)

    判例時報2388号33頁に掲載されています(確定)。

    「分担額を検討するに当たり、扶養義務者でない妻の収入を合算して余力の有無を検討することは相当ではないが、他方で、抗告人夫婦で分担すべき生活費に関して、扶養義務者が分担すべき額を検討するに際して妻の収入を斟酌することは当然に許される。」と述べています。やや分かりにくい面もあるかもしれませんが、家族法(親族法)分野においては裁判所の裁量的判断の余地が広いことの例のひとつともいえ、また、こうした事案の参考になるものです。

    【裁判・交通事故】非接触事故で被害自動車同乗者の頚椎捻挫等の法的損害(因果関係)を認めるとともに、安易な自動車工学専門家の私的鑑定書を排斥した裁判例(東京高裁平成30年8月8日)

    判例タイムズ1455号61頁に掲載されています(確定)。
    加害者・保険会社から被害救済の視点からは妥当性を欠くと思われる「立証せよ」との主張が徒になされる事案も少なくないですが、そうした加害者・保険会社側の被害実態を無視するような主張の問題性を示す判断でもあり、被害救済に参考になると思われます。

    【裁判・家族】被扶養者(母)から扶養義務者(子ども)に対する扶養料支払請求において、扶養義務者の配偶者との生活分担生活費に関して配偶者の収入を斟酌することができるとした裁判例(広島高裁平成29年3月31日)

    判例時報2388号33頁に掲載されています(確定)。

    「分担額を検討するに当たり、扶養義務者でない妻の収入を合算して余力の有無を検討することは相当ではないが、他方で、抗告人夫婦で分担すべき生活費に関して、扶養義務者が分担すべき額を検討するに際して妻の収入を斟酌することは当然に許される。」と述べています。やや分かりにくい面もあるかもしれませんが、家族法(親族法)分野においては裁判所の裁量的判断の余地が広いことの例のひとつともいえ、また、こうした事案の参考になるものです。

    【裁判・労働】月80時間分相当の固定残業代の有効性を否定し、未払賃金・付加金の支払いを命じた事例(東京高裁平成30年10月4日)

    労働判例1190号5頁に掲載されています。

    このような固定残業代の定め自体を公序良俗に違反するものとして、一審(東京地裁平成29年10月16日)とは異なり、労働者の主張・請求を広く認めたものです。固定残業代の考え方など実務上も参考になるものです。

    【裁判・差止】雑誌の記事が人格権(名誉・プライバシ)の侵害にあたるとして、販売済の雑誌の販売・領布の禁止・回収を命じた仮処分(札幌高裁平成30年5月22日)

    判例時報2388号42頁に掲載されています(確定)。

    表現の自由の関係もあり雑誌販売の差止めを認める例は多くなく、本件一審(旭川地裁平成30年3月13日)も差止めを認めませんでしたが、札幌高裁は、とくに記事内にクレジットカード明細、振込データ(銀行口座含む)などが書かれていることを重視したようです。

    事例としても興味深いうえ、決定主文も当該雑誌を「販売委託先及び販売先から回収し、これを旭川地方裁判所執行官に引き渡さなければならない。」とされています。

    【裁判・相続】共同相続人間における無償による相続分の譲渡は民法903条1項の「贈与」にあたるとする最高裁判例(平成30年10月19日)

    金融・商事判例1558号8頁に掲載されています。

    1審(さいたま地判平成28年12月21日)、原審(東京高判平成29年6月22日)は該当性を否定していたものです。

    最高裁は「共同相続人間で相続分の譲渡がされたときは、積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する譲渡人の割合的な持分が譲受人に移転し、相続分の譲渡に伴って個々の相続財産についての共有持分の移転も生ずるものと解される。そして、相続分の譲渡を受けた共同相続人は、従前から有していた相続分と上記譲渡に係る相続分とを合計した相続分を有する者として遺産分割手続等に加わり、当該遺産分割手続等において、他の共同相続人に対し、従前から有していた相続分と上記譲渡に係る相続分との合計に相当する価額の相続財産の分配を求めることができることとなる。このように、相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、譲渡人から譲受人に対し経済的利益を合意によって移転するものということができる。遺産の分割が相続開始の時に遡ってその効力を生ずる(民法909条本文)とされていることは、以上のように解することの妨げとなるものではない。したがって、共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、上記譲渡をした者の相続において、民法903条1項に規定する「贈与」に当たる。」と判示したもので実務上留意が必要と思われます。

    【裁判・民事再生】小規模個人再生における住宅資金特別条項を定めた再生計画案の可否が信義則違反か否かを判断するにあたって、無異議債権の存否等も考慮し得るとする最高裁決定(H29・12・29)

    実務上、当該事案のみならず最高裁の判断の視点が示されているものと言われ、重視されているものです。

    最高裁HPにも掲載されています。

    http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87339

    【建築・参考】建築士事務所の業務報酬基準の10年ぶりの改訂(国土交通省HP)

    国土交通省のHPに掲載されています(1月21日付け)。

    http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000762.html

    今後、全国で研修がなされるとのことですが、ご参考まで。

    【裁判・民事】折り畳み式自転車のサドルを支えるシートポストの破断事故について、製造物責任法の欠陥が存するとした裁判例(東京高裁H30・7・25)

    金融・商事判例1552号34頁に掲載されています。

    「自転車の通常の使用方法に従い、取扱説明書(丙2)の記載に違反することなく使用してきたにもかかわらず発生したもの」として欠陥が認定されており、製造物責任法の規定・趣旨に合致した判断と思われます。原審は破棄し差戻す判決ですので賠償額は未定ですが、上告受理申立てがなされているとのことで、最終の確定までは時間を要するものと思われます。