弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【沖縄・情報】辺野古埋立、国の環境監視委員内部で客観性確保や判断に委員内部から異論出される(琉球新聞HP)

    沖縄の新聞社の報道内容は、本州・全国紙とは異なり、地元の取材に基づいた好評価を得ています。
    日々確認することで、沖縄からの視点を感じることも可能です。
    〇 琉球新聞
    http://ryukyushimpo.jp/
    本日のトップ記事
    名護市辺野古への米軍普天間代替基地建設に向け、事業に伴う環境保全策を検討するため沖縄防衛局が設置した環境監視等検討委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)をめぐり、委員自らが監視委の客観性確保や環境影響判断の難しさに疑問を呈し、第三者機関設置を求めていたことが、28日までに関係者への取材で分かった。監視委の途中経過の協議の中で第三者委設置が求められていたもので、監視委の役割について内部からも疑義が出された格好だ。

    〇 沖縄タイムズ
    http://www.okinawatimes.co.jp/

    【裁判・報道】NHKが放送した日本の台湾統治検証番組につき、台湾住民の名誉を侵害するものとして、金100万円の賠償を命じた裁判例(東京高判H25・11・28)

    東京高裁平成25年11月28日(判例時報2216号52頁)は、NHKの放送につき、名誉侵害・違法性を認定しました。東京高裁も、「確かに、法律上、放送事業者がどのような内容の放送をするか、すなわち、どのように番組の編集をするかは、表現の自由の保障の下、公共の福祉の適合性に配慮した放送事業者の自律的判断に委ねられているが(最高裁平成19年(受)第808号ないし同第813号同20年6月12日第一小法廷判決・民集62巻6号1656頁参照)」と配慮するとおり、報道の自由は最大限尊重されるものですが、近時のNHKの公共放送としてのあり方が厳しく問われる、重要な意味があるものとわれます。

     なお、本件は上告・上告受理申立てがなされています。

    【書籍・文献(5)】「テレビに映る中国の97%は嘘である」テレビ東京プロデュサー小林史憲

    刺激的な表題の書籍ですが、近時の中国の実相を知る分かりやすい内容です。日本が数年前と比べて大きく変化したところと、そう変わらないところがあるように、中国でも同様のようです。40歳代の現代的視点から、格差社会の構造、身柄拘束の意味等々、テレビ報道ではみることのできない現実が書かれています。

    【裁判・知的財産】ジャニーズメンバーの写真の無断掲載につき、パブリシィ権侵害として、不法行為法上の違法性を認め、賠償を命じた裁判例(東京地裁H25・4・26)

    パブリシィ権については、最高裁平成24年2月2日判決が「人の氏名、肖像等(以下、併せて「肖像等」という。)は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると解される(氏名につき、最高裁昭和58年(オ)第1311号同63年2月16日第三小法廷判決・民集42巻2号27頁、肖像につき、最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁、最高裁平成15年(受)第281号同17年11月10日第一小法廷判決・民集59巻9号2428頁各参照)。そして、肖像等は、商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから、上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。他方、肖像等に顧客吸引力を有する者は、社会の耳目を集めるなどして、その肖像等を時事報道、論説、創作物等に使用されることもあるのであって、その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると、肖像等を無断で使用する行為は、①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し、③肖像等を商品等の広告として使用するなど、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に、パブリシティ権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当である。」と述べるとおりであり、本件は、これの具体的な適用事例です(東京地裁判決は判例時報2195号45頁)。社会的に活動中の有名グループらの事案であり、その賠償額も含め参考になると思われます。

     

    最高裁平成24年2月2日判決・最高裁HP↓

    http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=81957&hanreiKbn=02

    モンゴル投資詐欺容疑で逮捕・グローバルアイズ元社長ら(ニュース)

    既にグローバルアイズ社は破産していますが、関与者が逮捕されました。刑事責任の解明はこれからでしょうが、きちんとした資金の流れ・実態解明が図られることをのぞみます。

     

    毎日新聞ニュース↓
    http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120111k0000e040170000c.html

    ※ 上記ニュースから~被害者と弁護士の声

    ・ 被害者の声~ 孫の学費が…被害者落胆
     グローバルアイズの主な営業拠点は札幌市にあった。被害対策弁護団によると、被害者の手元に戻った現金は出資額のわずか1.1%。同市内の70代女性は「孫の学費のために貯金していたお金だったのに……」と自責の念が消えない。
     この女性が自宅を訪れたグローバルアイズの男性社員から「モンゴルファンド」の投資を勧誘されたのは09年4月ごろ。「口下手で一生懸命なので可哀そうになってしまった」。同情のつもりで数十万円の投資を決めた。社員はその後何度も訪れ投資を勧誘。出資額は9月までに約400万円まで膨らんだ。
     破綻を知ったのは10年3月。社員が真っ青な顔つきで訪ねてきて「倒産したみたい」と告げた。当初は「社員はどうなるのだろう」と心配したが、預けた資金が戻らないと知り悔しさが募った。「最初はきちんと配当も出ていたので信用してしまった。本当に情けない」とため息をつく。

    ・ 弁護士のコメント

     弁護団によると、同社が集めた資金は一部を除き、ほとんど運用された形跡がなかったという。荻野一郎弁護士(札幌弁護士会)は「勧誘して金融商品を売り続けないと配当できない仕組みだった」と指摘する。

     

    警察の誤発表に基づく名誉毀損報道がなされた事案につき、国家賠償請求を認めた判決(松山地裁H22・4・14)

    被害者が一方的に暴行・傷害を受け死亡したものの、警察が「喧嘩」「たいまん」などの発表を行い、これに基づく報道がなされたため、被害者遺族が被害者の名誉が毀損され、敬愛追慕の感情が侵害され精神的苦痛を被ったとして、慰謝料請求(国家賠償請求)を行っていた事案につき、松山地裁は、約11万円の賠償を認めました(判例時報2080号63頁)。

    被害者側の名誉回復の観点から参考になる判断と思われます。

    宮城県警、デート商法の疑いで数カ所家宅捜索(ニュース)

    宮城県警生活環境課などが、7月22日、アンケートを装って電話でデートに誘い、高額なネックレスなどを販売したとして、特定商取引法違反の疑いで、宝飾品販売会社「Art(アール)」(仙台市青葉区花京院2丁目)の本社や営業所など数カ所の家宅捜索を行ったとの報道がありました。

    本件の詳細はこれから解明されるでしょうが、消費者被害は「やりどく」を許さない「加害者への取締・制裁」こそが必要です。

    河北新報記事↓

    http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100722t13042.htm

    宮城県消費生活センターのデート商法に関する注意呼びかけ↓

    http://www.pref.miyagi.jp/syoubun/syohi-sc/deto.htm

    高齢者に対する短歌・俳句の新聞掲載被害が多発(ニュース)

    高齢者に対し、電話等で、「短歌・俳句を新聞に掲載しませんか」等との勧誘による被害相談が急増しています。1件ごとの契約金額が数万円であり、泣き寝入りしている被害者も多いようですが、迷惑勧誘、本当に掲載されているか確認できない事例、次々勧誘等々被害が拡大している状況です。法的にはクーリングオフ等による支払拒絶・代金返還、不法行為による損害賠償などが考えられますが、まずもって被害実態を知ることが大切です。

    被害急増の実態について・国民生活センターHP↓。

    http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100407_1.pdf

    パチンコ必勝法詐欺、広告掲載雑誌社に賠償命じる判決(大阪地裁H22・5・12)

    いわゆるパチンコ・パチスロ必勝法詐欺被害が多発していますが、現実には詐欺業者(加害者)が行方不明となり被害回復が困難なケースも少なくありません。雑誌広告が詐欺の現実化の手法とされている面もあり、また、本来は広告主の属性・所在等も把握しておくべきものと思われ、本判決は、雑誌社に加重な負担を求めるものではなく、また、被害者救済の途をひろげる有意な判決と思われます。なお、新聞社の調査義務等を認めた最高裁判例(平成1年9月19日・事案の結論としては義務違反なしとするもの)の判断枠組みによっているようです。

    判決に関する報道↓。

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100512-00000157-jij-soci

     

    岩手県宮古病院、採用予定者が医師詐称(ニュース)

    岩手県立宮古病院が勤務医としての採用予定者(女性)が、医師免許がないのに医師を詐称していたとして、宮古署は5月9日までに、医師法違反(名称の使用制限)の疑いで、同人を現行犯逮捕したとのことです。

    医師名称の詐称は金50万円以下の罰金刑ですが、詐称だけでなく、医業を行っていれば、3年以下の懲役・金200万円以下の罰金の選択或いは併科刑となります。

    これから事件の具体的手口・背景等が明らかにされるでしょうが、医師不足・医師採用システムさらには日本の医療全体ににかかわる重大な問題かも知れません。

    事件報道記事↓。

    http://www.kahoku.co.jp/news/2010/05/20100510t33019.htm