【裁判・民事】刑事事件の捜査に関して作成され公判提出されなかった文書の写しを都道府県が所持する場合に、当該文書(写し)が文書提出命令の対象になる判断基準を示した最高裁決定(H31・1・22)
最高裁HP(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88272)、判例時報2415号20頁に掲載されています。
刑事訴訟法47条が「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定していることとの関係性が問題となったものです。
最高裁は、「刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで、それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを、その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持し、当該写しについて引用文書又は法律関係文書に該当するとして文書提出命令の申立てがされた場合においては、当該原本を検察官が保管しているときであっても、当該写しが引用文書又は法律関係文書に該当し、かつ、当該都道府県が当該写しの提出を拒否したことが、前記イの諸般の事情に照らし、その裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用するものであると認められるときは、裁判所は、当該写しの提出を命ずることができるものと解するのが相当である。」と述べ、文書提出命令の対象になることを明らかにしました(事案は原審へ差戻)。
刑事関係資料は、民事訴訟においても重要な意味を持つことも多く、本決定は実務上重要な意味を有するものと思われます。
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