弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・民事】建売住宅の売主(事業者)が、買主(消費者)に対し、緑化率不足の条例違反があることを故意に告げなかったとして、買主による消費者契約法4条2項に基づく取消を認めた裁判例(名古屋高裁H30・5・30)
  • 【裁判・民事】建売住宅の売主(事業者)が、買主(消費者)に対し、緑化率不足の条例違反があることを故意に告げなかったとして、買主による消費者契約法4条2項に基づく取消を認めた裁判例(名古屋高裁H30・5・30)

    判例時報2409号54頁に掲載されています(上告等棄却・不受理)。

    原判決(名古屋地裁平成29年3月22日)は取消を認めなかったもので、判例時報の解説においても建売住宅の売買について消費者契約法4条2項の取消事例は珍しい事例とされ、たしかにそのとおりですが、本来は、裁判所において消費者契約法の規定・趣旨が正しく理解され、より広く一般的に用いられるべきものとも思われます。

    被害救済例として参考となるものです。

     

    ※ 消費者契約法4条2項(抜粋、改正になっています)

     

    (消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)

    第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

    一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認

    二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

    2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意又は重大な過失によって告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。