高校生が柔道部の練習中に重い後遺障害を負った被害につき、学校側の過失・損害賠償責任が認められた裁判例(札幌地裁H24・3・9)
本件は、被告設置の高校の柔道部に所属していた高校生が練習試合中の事故により四肢不全麻痺、高次脳機能障害等の後遺障害を負ったことについて、高校生側が、顧問教諭ら及び学校長に安全配慮義務を怠った過失があるなどとし、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案です。
判決は、被害者高校生の柔道経験(能力)がさほど高いとはいえないこと、直前にも怪我をしていること等の具体的事実から、被害者高校生を練習試合に出場させた場合、大きな怪我を受ける危険性を予見しえたものとして、北海道に賠償を命じたものです(総額約1億3000万円)(判時2148号101頁)。
本件は部活動における事案ですが、武道が必修化されるなか、今一度、学校における教育と危険を考えることを示唆する事案であるとも思われます。
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