弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【民事・時効】手術の約25年後に、体内にタオル残置されていたことが判明した事案につき、債務不履行の消滅時効の適用を否定し、賠償を命じた裁判例(東京地裁H24・5・9)
  • 【民事・時効】手術の約25年後に、体内にタオル残置されていたことが判明した事案につき、債務不履行の消滅時効の適用を否定し、賠償を命じた裁判例(東京地裁H24・5・9)

    東日本大震災の建物・造成の瑕疵等が問題となる事案において、法律上の権利行使期間(時効・除斥期間)が問題となる相談事案も多くあります。本裁判例が、不法行為について手術時から20年経過しているとして権利行使期間(20年の除斥期間・民法724条)が経過していると判断した点は、疑問も残りますが、債務不履行構成について、「権利を行使することができる時」(民法166条1項)につき、最高裁昭和45年7月15日を引用したうえ、タオル残置の手術時ではなく、「本件摘出手術」というタオル発見時の手術時によって「初めて本件タオルの残置を知り、その権利行使を現実に期待しうるようになった」として、権利行使期間(消滅時効期間)が経過していないと判断したことは、参考になると思われます(判例時報2158号80頁)。