損害賠償額算定の際の中間利息控除の方法・ライプ(複利)、ホフマン(単利)いずれも可とする判例(最高裁H22・1・26)
交通事故はじめ損害賠償額の算定にあたり、将来の逸失利益につき現時点で賠償を受けることになり、いわば「将来分を先に賠償を受ける」ことから、「先に受ける」分の中間利息の控除が問題となります。この点、下級審の裁判実務はライプニッツ方式(複利)で控除する考え方がとられることが多いですが(東京・大阪・名古屋地裁の共同提言など)、最高裁は、札幌高裁がホフマン方式を採用した事案について、結論として是認しました(平成22年1月26日判決・判時2076号47頁)。
ホフマン方式の方が被害救済にあつく、民法も単利計算(405条)を採用していることからも、必ずしもライプニッツ方式(複利)に拘束される要はないと思われます。
なお、最高裁は本判決以前から、いずれの考え方でもよいとする立場と解されてきました(ライプニッツ方式を是認したものとして昭和53年10月20日判決、ホフマン方式を是認したものとして平成2年3月23日判決)などがあります。
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