
【裁判・民事】違法な投資勧誘行為者に事務所を使用させた行為は不法行為の幇助(共同不法行為)にあたるとして賠償を命じた裁判例(東京高判H29・12・20)
判例時報2384号20頁に掲載されています(確定)。
電話機、金員受領場所や信頼させるために事務所設置等々、いわゆる犯罪助長ツールがなければ詐欺的行為も実行されないことや提供の実態等から、こうした関与者の法的責任は厳しく問われるべきもので、被害救済に大いに参考となるものです。
【裁判・労働】小学校教諭が休日に地域の防災訓練に参加するための移動中に児童宅に忘れ物を届けた際、飼育されている犬に咬まれた災害について、公務遂行性を認めた裁判例(東京高裁H30・2・28)
判例時報2396号60頁に掲載されています(確定)。
1審(甲府地裁へ市営29年9月12日)は公務性を否定しましたが、東京高裁は、現場における労働者(小学校教諭)のおかれた立場や役割から、健全な市民感覚に沿う判断をしたものです。
【裁判・民事】マンション管理組合から区分所有者に対する民泊行為の差止めと違約金請求を認めた裁判例(東京地裁H30・8・9)
REITO113号146頁に要旨が掲載されています。
同様の事案として大阪地裁平成29年1月13日もあげられていますが、こちらは判決前に転売されたようで結論は損害賠償(弁護士費用50万円)を認めたものです。
マンション管理上、規約の整備の重要性も含め、参考となるものです。
【裁判・民事】東日本大震災による原発事故による信用組合の支店閉鎖について、1年分の減収の損害賠償を認めた裁判例(福島地裁いわき支部H31・3・6)
金融・商事判例1565号16頁以下に掲載されています(確定)。
必ずしも十分な被害回復とは言えない面もありますが、確定しており参考になろうかと思います。
【裁判・行政】被害者側の処罰を望まない意見等がありながら、1審2審を破棄取消したうえ、行政処分(停職処分)を有効とした最高裁判決(H30・11・6)
判例地方自治444号51頁に掲載されています。
地裁・高裁は行政処分を違法・取消としていたことも含め、職員側に極めて厳しい判断となっています。
内容の当否はおくとしても、近時の最高裁の傾向を示すものとして留意が必要かと思われます。
【裁判・執行】振替口座簿に開設された被相続人名義の口座に記録等されている振替株式等が共同相続された場合において、共同相続により債務者が承継した共同持分に対する差押命令や譲渡命令は可能とする最高裁決定(H31・1・23)
最高裁HPに掲載されています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88273
原審(大阪高裁平成29年12月4日)を破棄・差し戻したもので、具体的な手続きや最終的な判断はこれからになると思われますが、実務上も重要な判断と言われています。
【裁判・労働】化学物質過敏症の発症につき業務起因性を認めた裁判例(東京地裁H30・7・2)
労働判例1195号64頁に掲載されています(確定)。
「自動車損害賠償責任保険における後遺障害等級に照らせば、少なくとも11級1号(労働能力喪失率20%)に相当する。」と述べています。
化学物質過敏症被害の救済事例として参考になると思われます。なお、解説部分にこれまでの参考裁判例も挙げられています。
【裁判・民事】承諾のもと自動車の名義上の所有者兼使用者となった者につき、自賠責3条の運行供用者に当たるとした最高裁判例(H30・12・17)
金融・商事判例1563号8頁以下に掲載されています。
同解説に、運行供用者に関する主な最高裁判例も掲載されています。
本判断も最高裁の判断の傾向にそうものかと思われますが、高裁は異なる判断をしたこともあり、事例判断とはいえ実務上も参考となる判断と思われます。
【裁判・家族】面会交流に応じない場合の強制金について、不履行1回5万円とする原決定を変更し20万円とした裁判例(大阪高裁H30・3・22)
判例時報2395号71頁に掲載されています。
原決定後2回ほど履行されているとしても、約3年間にわたり拒否していたこと等を踏まえて、判断されたものです。
家族関係についての法的判断は難しい面もありますが、親子の交流は、子どもの成長とともに時々に実現されなければ、実質的には回復不可能なものとなりますから、相当な判断と思われます。
【裁判・相続】共同相続人間においてなされた無償の相続分譲渡は、民法903条1項に規定する贈与にあたるとする最高裁判例(H30・10・19)
金融・商事判例1563号22頁以下に掲載されています。
最高裁平成30年10月19日判決は、「共同相続人間で相続分の譲渡がされたときは、積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する譲渡人の割合的な持分が譲受人に移転し、相続分の譲渡に伴って個々の相続財産についての共有持分の移転も生ずるものと解される。」「そして、相続分の譲渡を受けた共同相続人は、従前から有していた相続分と上記譲渡に係る相続分とを合計した相続分を有する者として遺産分割手続等に加わり、当該遺産分割手続等において、他の共同相続人に対し、従前から有していた相続分と上記譲渡に係る相続分との合計に相当する価額の相続財産の分配を求めることができることとなる。」「このように、相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、譲渡人から譲受人に対し経済的利益を合意によって移転するものということができる。遺産の分割が相続開始の時に遡ってその効力を生ずる(民法909条本文)とされていることは、以上のように解することの妨げとなるものではない。」「したがって、共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、上記譲渡をした者の相続において、民法903条1項に規定する「贈与」に当たる。」と述べ、東京高裁の判断を破棄し差し戻したものです。
遺留減殺請求の取扱いとして実務上も重要な判断です。
(特別受益者の相続分)
民法903条
1 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。
〒980-0812 仙台市青葉区片平一丁目2番38号 チサンマンション青葉通り605
TEL 022-713-7791 (平日9:00~17:30)
FAX 022-713-7792








