弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・民事】ゴルフ場で、プレーヤーAの打球が他の組でのプレーヤーBの左目に当たり怪我した事故につき、Aのほか同伴していたキャディ及びゴルフ場運営会社の共同不法行為責任を認めた裁判例(岡山地裁H25・4・5)
  • 【裁判・民事】ゴルフ場で、プレーヤーAの打球が他の組でのプレーヤーBの左目に当たり怪我した事故につき、Aのほか同伴していたキャディ及びゴルフ場運営会社の共同不法行為責任を認めた裁判例(岡山地裁H25・4・5)

    岡山地裁平成25年4月5日判決(判例時報2210号88頁)は、Aの責任ついて「時々三〇度程度シャンクすることがあることを認識していたのであるから、第二打の際三〇度程度でシャンクした場合にボールが飛ぶ範囲内に原告を含むプレーヤー等がいるかどうかを確認すべきところ、グリーン方向にまっすぐ飛ぶものと過信して、また、原告に他のプレーヤーのショット位置より前に出るというくせがないことから、原告は前方に進んでいないと思い込み、原告の動向や存在を確認することなく第二打を打ったこと及び第二打をシャンクさせたことに過失が認められる。」とし、キャディの責任について「(キャディは)、同伴プレーヤーは互いに他のプレーヤーがショットをする前にその前方に出てはならず、ショットするプレーヤーは、ショット前に打球が飛ぶ範囲内に同伴プレーヤー等がいる場合にはショットをしてはならないとされており、これに反する行動をプレーヤーが採ろうとする場合には同行するキャディとしてはこれを注意して阻止すべきところ、一三番ホールまでの原告とAの観察の結果、その程度の基本的なマナーやルールまで両名に注意する必要はないと過信して両名の十分な観察を怠り、その結果、必要な注意喚起を行わなかった過失があるといわざるを得ない。」とし、ゴルフ場運営会社はキャディの使用者として責任を負うものとし、他方、原告につき「同伴プレーヤーは互いに他のプレーヤーがショットをする前にその前方に出てはならないとされているところ、原告の第二打のボールがグリーンに乗ったかどうかの確認に気を取られ、被告乙山のボールが右三〇度前方に飛ぶことはないと過信し、Aの行動を確認しないまま不用意に前方に進んだことに過失が認められる。」とし、過失相殺を行った(控訴審で和解)。なお、原告は左目を失明されている。

     スポーツ事故の事例として参考になるものです。