【裁判・民事】記載内容の一部が虚偽である陳述書の作成・提出に関与した訴訟代理人(弁護士)の不法行為責任の成立を否定した裁判例(東京地裁H27・10・30)
別件訴訟において陳述書の一部が違法であると認定されたことを前提とする訴訟のようです。東京地裁平成27年10月30日判決(判時2298号58頁)は、結果的に陳述書の内容が裁判所の認定事実に反しとしても、「陳述書の作成が相手方当事者との関係で違法と評価されるためには、その記載内容が客観的な裏付けを欠く(客観的裏付けあることを立証できない場合を含む。)というだけでは足りず、少なくとも、陳述書に記載された事実が虚偽であること、あるいは、判断等の根拠とされた資料に看過できない誤りがあり、作成者がその誤りを知り又は当然に知り得たことを要するものとする。」と判示しました(控訴あり)。
現在の民事訴訟の構造からすると、陳述書の内容に限らず、事実に争いある事案の当事者(代理人)の主張は、結果的にはいずれかが「事実に反する」結果となることは避けがたい面があり、裁判所の判断は穏当と思われますが、他方、こうした訴訟の起きる背景(不満をもたれる当事者がいること等)にも留意が必要かとは思われます。
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