取引先・同僚との飲食接待につき業務性を認めた裁判例(大阪地判H23・10・26 ノキア・ジャパン事件)
くも膜下出血で死亡した労災事案につき、業務起因性を否定した行政認定を取り消し、業務起因性(労災該当性)を認めたものです(労働判例1043号67頁)。
接待等の業務性について、次のような考えた方を示しており、今後の被害救済に参考になるものと思われます。
※ 判決一部抜粋
「一般的には、接待について、業務との関連性が不明であることが多く,直ちに業務性を肯定することは困難である。」としつつ、「①顧客との良好な関係を築く手段として行われており、本件会社もその必要性から、その業務性を承認して亡Aの数量に任せて行わせていたこと(乙3の92頁)、②本件会社が協力会社にFの取引を獲得ないし維持するため、工期の短い工事等の無理な対応をお願いする立場であったため、日本エレクトロニクスシステムズ,NEC,コミューチュア,サンワコムシス等の協力会社に対してその必要性があったこと、③亡Aが前職当時から付き合いのある人脈を利用して営業の情報を収集したり、根回しをし、そのために顧客とコミュニケーションをとることによって問題の解決に当たっていたこと(乙9の①)、④亡Aが大阪事務所長として必要と判断したものであって,本件会社にとって有益で,必要な業務の一部であったこと、⑤亡Aの後任であるEもその職責を全うするため重要であると認識していたこと・・・」等の事実から、「以上の事実を踏まえると,亡AがFの関係者等との飲食は、そのほとんどの部分が業務の延長であったと推認でき、同認定を覆すに足りる証拠はない。」と判示しました。
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