弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・民事】債務整理を司法書士に依頼した債務者(借主)から、委任後に時効期間が完成し消滅時効を援用した事案につき、援用行為が信義則に違反するとまではいないとして時効消滅を肯定した裁判例(東京地裁H25・6・10)
  • 【裁判・民事】債務整理を司法書士に依頼した債務者(借主)から、委任後に時効期間が完成し消滅時効を援用した事案につき、援用行為が信義則に違反するとまではいないとして時効消滅を肯定した裁判例(東京地裁H25・6・10)

    東京地判平成25年6月10日(判タ1415号298頁)は、貸金業者としては訴え提起による時効中断が可能であったこと等を指摘し、司法書士の対応に不誠実な点がみられるにせよ、債務者(借主)の消滅時効援用行為に信義則に反するものとまでいうことはできないとして債務消滅を認めました(原審東京簡裁平成24年1月9日判決を破棄し自判したもので確定しています)。

    債務整理の実務上も重要な事例と思われます。本件の貸金業者は、株式会社オリエントコーポレーションです。

    なお、消滅時効の事案では、債務者(借主)の時効完成後の返済などがあると、業者(貸主)側から、最判昭和41年4月20日(民集20巻4号702頁)を引用して『援用は信義則違反』と主張されることがありますが、同判決は、債務者(借主)が債務存在を認めたのみならず積極的に具体的返済計画等の申し入れを行っていた事案であるなど個別具体的な事実関係に基づく判断ですから、現在の、貸金業者・消費者という関係に一般的に妥当するものではない点などは注意が必要です。