弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・民事】債権譲渡において異議をとどめない承諾をしても、譲受人に過失があれば対抗できるとする最高裁判例(最判H27・6・1)
  • 【裁判・民事】債権譲渡において異議をとどめない承諾をしても、譲受人に過失があれば対抗できるとする最高裁判例(最判H27・6・1)

    最高裁平成27年6月1日判決は、貸金業者側の債権譲渡により顧客の主張できる事由(旧貸金業法43条1項の適用がないこと)が制限されるとした主張に対し、「債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において、譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても、このことについて譲受人に過失があるときには、債務者は、当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当である。」と判示しました(原判決破棄・差戻)。

    最高裁HP → ttp://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85133

    民法の債権譲渡の規定(下記468条)の理解を前提とするものですが、実務上、大きな影響を有する判断と思われ、これまでに比し、消費者保護に有益な判断と思われます。

    第四百六十八条  債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
     譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。