弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • エレベーター保守点検契約につき、業者に信頼関係支障の発端があるとして、業者からの契約解除を否定した裁判例(東京地裁H23・4・15)
  • エレベーター保守点検契約につき、業者に信頼関係支障の発端があるとして、業者からの契約解除を否定した裁判例(東京地裁H23・4・15)

    3階建て診療所のエレベーターの常時遠隔点検及び監視サービスを内容とするメンテナンス契約に関し、業者側が契約条項記載の解除権に基づき契約を解除した事案につき、契約者間の信頼関係に支障が生じた発端は、本件遠隔監視装置が正常に機能しないという業者側の責めに帰すべき事由であることなどから、信義則上、業者側から解除することは許されない旨判断しました(東京地裁平成23年4月15日判決・判例時報2120号37頁)。

    個別事案の判断ではありますが、エレベーターが日常不可欠の設備であること、技術性・専門性は業者のみが備えていること等からすれば、本件ような契約(関係)で業者側から解除がなされた場合の利用者の不利益は少なくないと思われ、同様のトラブルにも参考になると思われます。