検事が被疑者から弁護人との接見内容を聴取し証拠化したことを違法とし国家賠償責任を認めた裁判例(福岡高裁H23・7・1)
担当検事が、被疑者から弁護人との接見内容を聴取し、これを調書化し、証拠請求した事案につき、弁護人の秘密交通権(被疑者との接見・これの秘密が確保される権利)の侵害であるとして、係る行為には重大な過失が存するとして、検事の行為の違法性を認め、国に損害賠償を命じました(金55万円)。(判例時報2127号9頁)
秘密交通権は弁護人・被疑者の重要な権利であり、そうした理解は法律実務家に当然・共通の認識ですから、検察組織が上記取り調べ・証拠化を認容してきたことは、ひとり上記違法行為を実行した検事のみの問題にとどまらず、近時の検察不祥事と根底を同じくする根深い問題といえるでしょう。
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