
【裁判・賃貸借】新賃貸人(建物譲受人)による賃貸店舗(地下1階)外の、看板等(地上1階)の撤去請求につき、権利濫用として認めなかった判例(最高裁H25・4・9)
最判平成25年4月9日(判例時報2187号27頁)は、建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が従前建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していたところ建物が譲渡された事案において、賃貸店舗と看板等が社会通念上一体のものとして利用されてきたという事実等に鑑み、建物譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることは権利の濫用にあたると判断しました。東京高判は撤去等を認めていましたが、これを誤りとしたものです。
判決文全文・事実関係は最高裁HPに掲載されています。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83174&hanreiKbn=02
また、対抗力等の問題における参考判例として以下があります。
・ 借地権・権利濫用法理の保護を示すもの 最判昭和38年5月24日(民集17・5・639)
・ 一筆の土地にのみ登記建物あるケースで、他の一筆への土地の明け渡し請求が権利濫用とされたもの 最判平成9年7月1日(判例時報1614号63頁)
実務上、重要な判断を示すものと思われます。
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