弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・執行】競売対象不動産につき、買受人が暴力団関係者と折衝する蓋然性が高い場合に、不動産の価値的な損傷があるとして、売却許可決定が取り消された事案(東京高決H25・7・12)
  • 【裁判・執行】競売対象不動産につき、買受人が暴力団関係者と折衝する蓋然性が高い場合に、不動産の価値的な損傷があるとして、売却許可決定が取り消された事案(東京高決H25・7・12)

    本事案は、担保不動産競売事件において、土地の売却許可決定を受けて買受人となったAが、本件土地隣接地に暴力団幹部が居住していること、土地の利用形態等から暴力団幹部との折衝が必要とされること等から、民事執行法75条1項に基づき、売却許可決定の取消しを求めた事案です。同条項は、後記のとおりです。原審(東京地決H25・4・30)と判断が分かれてることや75条の解釈・適用場面を示すものとして参考になると思われます(金融商事判例№1426・34頁)。
     
    第七十五条  最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。
     前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
     前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。