弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・行政】市長の専決処分による補助金支出の債務負担行為が違法であるとする裁判例(東京高裁H25・8・29)
  • 【裁判・行政】市長の専決処分による補助金支出の債務負担行為が違法であるとする裁判例(東京高裁H25・8・29)

    専決処分とは、本来議会が決すべき事項(地方自治法96条)につき、議会が成立しない場合などに自治体の長に専決処分を行うことを認めているものです(地方自治法179条)。

    本件は、A市長が専決処分として、特定の鉄道会社への補助金2300万円余を支出した行為が違法とされ、現在の市長からA市長に対し同金額の賠償請求を行うことを命じたものです(東京高裁平成25年8月29日判決・判例地方自治384号10頁)。いわゆる住民訴訟として一般の判決主文とは若干異なる言い回しですが、議会制民主主義の観点等から、専決処分をなしうるケースを限定するもので、近時、専決処分に関する裁判例が多数出されていることからも(裁判例の動向については、判例地方自治384号4頁以下「専決処分をめぐり相次ぐ判決、自治体に戸惑いも?-専決処分が違法とされた事例と適法とされた事例―」にまとめられています。