【裁判・民事】公序良俗違反の無効な契約(無限連鎖講・総額約25億円の被害)につき、給付を受けた会員側が金員の返還請求を拒むことは、信義則上許されないとした事案(最高裁H26・10・28)
民法708条では「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」(不法原因給付)とされており、これによれば本件事業者(無限連鎖講の実施者)から、各会員への給付の返還はできないものとも考えられるところ、最高裁平成26年10月28日判決(金融・商事判例1454号16頁)は、会員側の返還拒絶は、信義則上許されないと判示し、会員側へ返還を命じました。
本件では、下級審(東京地裁・東京高裁)とも会員側の返還拒絶を認めていたものですが、最高裁は、請求権者が破産管財人であること、返金を受けた場合に使途(配当)等も考慮し、上記判断を示しました。
民法708条(不法原因給付)の実務的感覚を理解するものとして参考になるものです。
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