弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・行政】いわゆる自衛隊護衛艦たちかぜいじめ自殺被害~文書廃棄の虚偽報告へ賠償を命じた観点から~(東京高裁H26・4・23)
  • 【裁判・行政】いわゆる自衛隊護衛艦たちかぜいじめ自殺被害~文書廃棄の虚偽報告へ賠償を命じた観点から~(東京高裁H26・4・23)

    いわゆる自衛隊護衛艦たちかぜいじめ自殺被害の東京高裁平成26年4月23日(労働判例1096号19頁)です。被害者・ご遺族・弁護団のご活動には頭の下がる思いです。厳しく非難されるべきいじめの実態、判決内容は広く報道されています。ここでは自衛隊側による文書隠匿(虚偽報告)に対する違法性を認定した点を取り上げます。前記東京高裁は、自衛隊が被害者自殺後にたちかぜ乗員に対して行ったアンケートにつき「本件アンケートを保管していながら、・・・本件アンケートは廃棄済みであり所持していないとの理由で開示しないとの通知がされ」たこと、砲雷長・艦長等の間の事情聴取が記載されたメモにつき「艦長が、乙第43号証メモを保管していながら、・・・これを特定せず隠匿した行為」を違法とし、賠償を命じました(確定しています)。

     害者側の情報開示・誠実対応義務は、確定した規範になっており、今後の被害予防・救済の力になるものと思われます。