弁護士メモ|千葉晃平のひとこと
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  • 【裁判・家族】内縁の夫が交通事故で死亡した場合に、内縁の妻の配偶者としての扶養請求権侵害による損害・慰謝料損害を認めた裁判例(東京地裁H27・5・19)
  • 【裁判・家族】内縁の夫が交通事故で死亡した場合に、内縁の妻の配偶者としての扶養請求権侵害による損害・慰謝料損害を認めた裁判例(東京地裁H27・5・19)

    約27年にわたり同居生活されていた事案です。東京地裁平成27年5月19日判決(判例時報2273号94頁)は、総額630万円超えの賠償請求を認めました(確定)。

    内縁の配偶者については、最高裁平成5年4月6日(判例タイムズ832号73頁)において、「自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という)七二条一項に定める政府の行う自動車損害賠償保障事業は、自動車の運行によって生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が同法三条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、政府がその損害をてん補するものであるから、同法七二条一項にいう「被害者」とは、保有者に対して損害賠償の請求をすることができる者をいうと解すべきところ、内縁の配偶者が他方の配偶者の扶養を受けている場合において、その他方の配偶者が保有者の自動車の運行によって死亡したときは、内縁の配偶者は、自己が他方の配偶者から受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、保有者に対してその賠償を請求することができるものというべきであるから、内縁の配偶者は、同項にいう「被害者」に当たると解するのが相当である。」と判示されているとおりです。上記東京地判は、具体的適用・損害算定例として参考になるものと思われます。