【裁判・民事】仲裁手続きにおいて、大規模事務所に所属するA弁護士が仲裁人が選任される一方、B弁護士が当事者の別件訴訟の代理人であった事案について、利益相反事由の不開示から、仲裁判断が取り消された裁判例(大阪高裁H28・6・28)
大阪高裁平成28年6月28日決定(判例タイムズ1431号108頁)は、「それ自体が、たとえ、本件仲裁判断の結論に直接影響を及ぼすことがないとしても、仲裁法44条1項6号の取消事由に該当するというべきである。」として仲裁判断を取り消しました。
紛争事案における手続ルールの理解として参考になる思われ、また、大規模事務所の弁護士間のあり方としても興味深い事案です。
(忌避の原因等)
第十八条
当事者は、仲裁人に次に掲げる事由があるときは、当該仲裁人を忌避することができる。
一 当事者の合意により定められた仲裁人の要件を具備しないとき。
二 仲裁人の公正性又は独立性を疑うに足りる相当な理由があるとき。
2 仲裁人を選任し、又は当該仲裁人の選任について推薦その他これに類する関与をした当事者は、当該選任後に知った事由を忌避の原因とする場合に限り、当該仲裁人を忌避することができる。
3 仲裁人への就任の依頼を受けてその交渉に応じようとする者は、当該依頼をした者に対し、自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある事実の全部を開示しなければならない。
4 仲裁人は、仲裁手続の進行中、当事者に対し、自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある事実(既に開示したものを除く。)の全部を遅滞なく開示しなければならない。
第四十四条 当事者は、次に掲げる事由があるときは、裁判所に対し、仲裁判断の取消しの申立てをすることができる。
一 仲裁合意が、当事者の行為能力の制限により、その効力を有しないこと。
二 仲裁合意が、当事者が合意により仲裁合意に適用すべきものとして指定した法令(当該指定がないときは、日本の法令)によれば、当事者の行為能力の制限以外の事由により、その効力を有しないこと。
三 申立人が、仲裁人の選任手続又は仲裁手続において、日本の法令(その法令の公の秩序に関しない規定に関する事項について当事者間に合意があるときは、当該合意)により必要とされる通知を受けなかったこと。
四 申立人が、仲裁手続において防御することが不可能であったこと。
五 仲裁判断が、仲裁合意又は仲裁手続における申立ての範囲を超える事項に関する判断を含むものであること。
六 仲裁廷の構成又は仲裁手続が、日本の法令(その法令の公の秩序に関しない規定に関する事項について当事者間に合意があるときは、当該合意)に違反するものであったこと。
七 仲裁手続における申立てが、日本の法令によれば、仲裁合意の対象とすることができない紛争に関するものであること。
八 仲裁判断の内容が、日本における公の秩序又は善良の風俗に反すること。
2 前項の申立ては、仲裁判断書(第四十一条から前条までの規定による仲裁廷の決定の決定書を含む。)の写しの送付による通知がされた日から三箇月を経過したとき、又は第四十六条の規定による執行決定が確定したときは、することができない。
3 裁判所は、第一項の申立てに係る事件がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
4 第一項の申立てに係る事件についての第五条第三項又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 裁判所は、口頭弁論又は当事者双方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、第一項の申立てについての決定をすることができない。
6 裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、同項各号に掲げる事由のいずれかがあると認めるとき(同項第一号から第六号までに掲げる事由にあっては、申立人が当該事由の存在を証明した場合に限る。)は、仲裁判断を取り消すことができる。
7 第一項第五号に掲げる事由がある場合において、当該仲裁判断から同号に規定する事項に関する部分を区分することができるときは、裁判所は、仲裁判断のうち当該部分のみを取り消すことができる。
8 第一項の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。
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