【裁判・労働】労働契約法20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)の違反を認めた裁判例(ハマキョウレックス事件・大阪高裁H28・7・26、長澤運輸事件・東京地裁H28・5・13)
労働契約法第20条は、(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)するものとして、「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。」と規定するなか、同法違反を認定する判断として、ハマキョウレックス事件・大阪高裁平成28年7月26日判決(労働判例1143号5頁)、長澤運輸事件・東京地裁平成28年5月13日判決(判例時報2315号119頁)が出されています。いずれも、労働契約法第20条違反は私法上の効力(契約の無効、損害賠償の発生)を認める一方、労働基準法第13条のような契約内容を直接に律する補充的・直律的効力まで認めず、労働協約・就業規則・労働契約の合理的解釈を通じて同様の効果を図ろうとする考え方と理解されます。
実務上、重要な判断であり、労働判例1148号5頁以下でも上記各裁判例の特集解説がなされています。
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