2010年の消費者問題・投資被害がトップ項目(国民生活センター発表)
国民生活センターの「消費者問題に関する2010年の10大項目」のトップ項目は「投資に関するトラブル急増、未公開株・社債さらに外国通貨取引も」です↓。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20101209_2.pdf
投資被害は一見すると一部の人の特殊的な被害とも見られがちですが、その実態は、普通の生活をおくる市民に対する詐欺的被害が多く、上記国民生活センターの報告は、国・政府の取り組みとして、「被害者注意せよ」のスタンスではなく、「加害者中止せよ」のスタンスでの取り締まり・法規制がなければ根本的な被害防止・救済が困難な状況に至っていることを示すものとも思われます。
消費者教育・77パーセントが受けた意識「なし」~体系的教育の必要性(ご参考)
平成20年度国民生活白書によれば77パーセントの方が「消費者教育」を受けた意識が「ない」そうです。「消費者教育」は多義的ですが、悪質被害防止・救済にとどまらない、市民の側から社会をとらえる重要な内容を含みます。消費者被害の実態、クーリングオフなどについての認知度はもっと高いことも考えると、体系的な「消費者教育」が求められます。
「消費者教育」の内容・あるべき姿については、平成21年3月14日に行われた日弁連ほか「シンポジウム「もっと消費者教育を!」~消費者教育推進のための法づくりを考える」の報告書が参考になります↓。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/data/shiyouhisyakiyouiku1.pdf#search=’
宮城県警、デート商法の疑いで数カ所家宅捜索(ニュース)
宮城県警生活環境課などが、7月22日、アンケートを装って電話でデートに誘い、高額なネックレスなどを販売したとして、特定商取引法違反の疑いで、宝飾品販売会社「Art(アール)」(仙台市青葉区花京院2丁目)の本社や営業所など数カ所の家宅捜索を行ったとの報道がありました。
本件の詳細はこれから解明されるでしょうが、消費者被害は「やりどく」を許さない「加害者への取締・制裁」こそが必要です。
河北新報記事↓
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100722t13042.htm
宮城県消費生活センターのデート商法に関する注意呼びかけ↓
クレジットカード現金化の問題・被害が急増(参考情報)
クレジットカードを利用し、現金を入手する問題・被害が急増しています。その方法・手口はいくつかありますが、貸金業法を脱法すると思われる業者の問題や、利用者(消費者)自身の違法性の問題も生じさせかねません。
詳しい内容や注意喚起は以下のページにも記載されています。
国民生活センターによる注意喚起等
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100407_2.html
日本クレジット協会のページ
http://www.j-credit.or.jp/customer/attention/attention_05.html
耐震偽装マンション、販売業者の代金返還義務を認める判決(札幌地裁H22・4・22)います。会社住友taisinn
札幌地裁は、平成22年4月22日、耐震偽装マンションにつき、購入者の錯誤主張に基づき、「耐震強度などの基本的性能は購入の重要な動機。誤解に基づき合意した売買は無効であり、被告は代金を返還する責任を負う」として、販売業者である住友不動産に対し、総額約3億7千万円の返還を命じる判断を示しました。耐震偽装の一番の被害者は購入者ら消費者であり、被害救済がすすむことが期待されます。
地元・北海道新聞の記事です↓。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/227480.html
携帯電話機による低温熱傷被害、製造メーカーに賠償命令(仙台高裁H22・4・22判決)
仙台高裁は、平成22年4月22日、携帯電話機をポケットに入れて使用していたところ低温熱傷の被害を被った事案につき、被害者が原因究明のために要した費用150万円、企業側の不誠実な対応等による精神的苦痛を被ったとして慰謝料50万円を含む合計221万2370円を、製造者パナソニックモバイルコミニュケーションズに命じる判決を言い渡しました。吉岡和弘弁護士、山田いずみ弁護士、柘植直也弁護士と弁護団で担当させていただいた事案で、製造物責任法による被害救済を図ったことはもとより、原因究明を怠り、消費者に泣き寝入りをせまるごとき企業の対応に警鐘をならす意味ある判決です。
先物取引、消費者契約法取消により全額返還認める判決(仙台高裁H21・12・10)
先物業者(ジャイコム株式会社)との商品先物取引につき、平成21年12月10日、仙台高裁において消費者契約法(4条1項2号・断定的利益判断の提供)に基づき、委託契約を取り消し、全額返還を認めた判決が出されています。消費者被害救済に役立つ判断で、確定しています。なお、吉岡和弘弁護士、山田いずみ弁護士と弁護団で担当させていただいた事案です。
包茎手術被害、消費者契約法による取消認める判決(東京地裁H21・6・19)
東京地裁は、平成21年6月19日、亀頭コラーゲン注入方法が一般に認められなかった術式であったことを告げなかったとして、不利益事実の不告知として消費者契約法による取消を認め、代金返還等を認める判決を出しました(判例時報2058号69頁)。
包茎手術被害は近時多発しており、被害救済に役立つ判例でしょう。加害の手口、被害の実態、救済手段等につき、東京都の消費者被害救済委員会の報告が参考になります↓。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2008/07/40i7o700.htm
耐震偽装マンションは無価値とする判決(札幌地裁H21・10・29)
札幌地裁は、平成21年10月29日、いわゆる耐震偽装マンションにつき、補修や再分譲・賃貸するとしても費用回収は容易ではなく、「実質的に無価値」と判断しました(判例時報2064号83頁)。
事案は、販売者デベロッパーと設計・監理者との間の紛争ですが、耐震偽装被害の一般消費者の方々の被害救済にも参考となる裁判例でしょう。
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