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【裁判・民事】インターネット上のなりすまし行為に関し、名誉権及び肖像権侵害を認め、損害賠償を命じた裁判例(大阪地裁H29・8・30)
被告が原告になりすましてインターネット上の掲示板に第三者を罵倒するような投稿等を行ったことにより、原告の名誉権、プライバシー権、肖像権及びアイデンティティ権を侵害されたとして、不法行為に基づき、慰謝料、発信者情報開示費用及び弁護士費用の合計である損害賠償金723万6000円及び遅延損害金を求めた事案です。
開示費用等も損害として認めるなど被害救済に参考になるもので、掲載されている判例タイムズ1445号202頁の解説部分にも複数の参考裁判例が掲載されています。一方、プライバシー権及びアイデンティティ権の侵害は認められなかったもので、同解説でも、アイデンティティ権の範囲等の議論は今後の積み重ねとされています。
【裁判・行政】事業用地取得に関し、売買契約に至らなかったとしても、土地所有者に対する信頼違背の法的責任を負うとして、地方公共団体に対し損害賠償を命じた裁判例(福岡高裁宮崎支部H29・7・19)
判例地方自治433号45頁に掲載されています(上告・告受理申立あり)。損害は一定時期までの固定資産税相当額とされているようですが、地方公共団体の事業遂行における法的責任の有無・内容等について参考になるものと思われます。
【裁判・賃貸借】賃借人が契約当事者を変更したときは賃貸人が違約金を請求できるとする賃貸借契約について、賃借人側の会社分割を理由として賃借人側が違約金債務を負わないと主張することは信義則違反とする最高裁決定(H29・12・19)
会社法の規定を形式的に重視した地裁判断を否定したものです(金融商事判例1537号8頁)。
最高裁HPにも掲載されています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87338
【裁判・刑事】交通トラブルに関する暴行事件について、正当防衛が認められた事案(東京地裁H28・9・16)
判例時報2354号114頁に掲載されています。
自動車Aの発信直前に、自動車Bが割り込んできたことから、自動車Aがクラクションを鳴らしたところ、自動車Bの運転者が降車したところ、無人となった自動車Bが発信・ガードレールに衝突するなか、激高した自動車Bの運転者が、自動車Aの運転席に横にきて車内に手や頭を入れ「ぶっ殺すぞ」と怒声を発してきた事案で、A運転者が自動車を発車させB運転者が転倒死亡したことにつき、A運転者の行為に正当防衛が成立するとして無罪としたものです(確定)。
交通トラブルに関する事案は社会的にも注目されており、判例時報の解説にも複数同種事案の裁判例が掲げられています。
【裁判・弁護士法】弁護士法25条1号に違反する訴訟行為について、相手方当事者が裁判所に対し各訴訟行為の排除を申立てることができるとし、不服申立手続を判示した最高裁決定(H29・10・5)
破産管財に関する事案で、再生申立に関与した弁護士が破産管財人からの訴えの代理人になることが弁護士法25条1号違反とするもので、また、不服申立方法等を述べるものです(金融商事判例1535号18頁)。
最高裁HPにも掲載されています。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87117
【裁判・民事】弁護士が不動産の売買による所有権移転登記手続について、売主側から依頼を受けていたところ、買主に対し、偽造された住民基本台帳カード等をもとに売主についての誤った本人確認情報を提供したことについて、弁護士の不法行為責任を認めた事例(東京地裁H28・11・29)
判例時報2343号78頁に掲載されています。
過失相殺が4割とされていますが、1億6000万円超の賠償が命じられています。
判決では、「証拠(乙2)によれば、自称Cが提出した本件遺産分割協議書の記載内容は、Iの死亡日が「平成44年9月17日」とされていること、相続開始日と被相続人の死亡日が異なっていること、上記相続開始日及び被相続人の死亡日がいずれも本件不動産の登記事項証明書に示された相続開始日(すなわち被相続人の死亡日)と異なっているという明らかに誤った内容を含むものであり(認定事実(11)エ)、遺産分割協議の内容を正確に示すものではなく、そのままでは遺産分割協議に基づく登記申請に用いることができないことを容易に気付くことができる内容のものである。」とされています。
事案としては賠償を命じられるものと思いますが、弁護士業務遂行として留意すべき事項も少なくいないと思われます。
【裁判・刑事】道路交通法違反につき、告知の手続を経ずになされた公訴提起として無効とした事例(大阪高裁H28・12・6)
判例時報2354号105頁に掲載されています。
警察官にパトカーの車載カメラの映像を見せて欲しいと求めたが見せられず、検察庁で見せられたことから、違反事実を認めた事案です。違反者は交通反則による処理を希望したところ認められず、警察段階で応じなかったことから、道交法130条2号「その者が書面の受領を拒んだため・・・第126条第1項の規定による告知・・・をすることができなかったとき」に当たるとして公訴提起されたものです。大阪高判平成28年12月6日は、「警察官の不都合な対応が交通反則告知書の受領拒否の事態を招き」として、第126条第1項の規定による告知ができなかったときに当たらないとして、公訴提起を無効としました(上告されています)。
警察側が手持証拠等を提示しない不当性・不合理性を正しく捉えた参考になる判断です。
【裁判・相続】秘密証書遺言を遺言能力を欠くとして無効とした事例(東京地裁H29・4・25)
判例時報2354号50頁に掲載されています。
遺言作成時に80歳を超えておりm18億円を超える財産に関し複雑な内容となっていたようで、裁判上の鑑定が実施され、遺言能力が否定された事案です。秘密証書遺言の形式がとられることは実務上多くはありませんが、遺言能力の判断など参考になるものです(控訴されています)。
【裁判・刑事】道路交通法違反につき、告知の手続を経ずになされた公訴提起として無効とした事例(大阪高裁H28・12・6)
判例時報2354号105頁に掲載されています。
警察官にパトカーの車載カメラの映像を見せて欲しいと求めたが見せられず、検察庁で見せられたことから、違反事実を認めた事案です。違反者は交通反則による処理を希望したところ認められず、警察段階で応じなかったことから、道交法130条2号「その者が書面の受領を拒んだため・・・第126条第1項の規定による告知・・・をすることができなかったとき」に当たるとして公訴提起されたものです。大阪高判平成28年12月6日は、「警察官の不都合な対応が交通反則告知書の受領拒否の事態を招き」として、第126条第1項の規定による告知ができなかったときに当たらないとして、公訴提起を無効としました(上告されています)。
警察側が手持証拠等を提示しない不当性・不合理性を正しく捉えた参考になる判断です。
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